投資詐欺のウワサ

クズ株は儲かる


クズ株は、株価が低く、わずかな値動きでも騰落率が大きくなりやすい銘柄を指す俗称です。大幅上昇が注目される一方、同じ割合で損失も膨らみやすいため、利益が約束された株式ではありません。

過去記事では、ヤフーの株価2.4円が545円へと200倍以上になった例を紹介していました。ただし、この種の長期比較は株式分割・併合などの調整条件で倍率が変わるため、当時値をそのまま現在の投資判断に使うことはできません。

本記事では、大きく儲かる銘柄として語られやすいクズ株について、上昇する仕組みだけでなく、流動性・上場廃止・情報の偏りまで確認します。ハイリスクな投資手法として検討する前に必要な判断材料を整理するのが目的です。

クズ株・ボロ株・低位株とは

「クズ株」「ボロ株」は、業績不安や株価水準の低さを含めて使われる俗称で、取引所の正式な分類ではありません。「低位株」「超低位株」も絶対的な基準が統一されているわけではなく、本記事では主に100円前後以下の低価格銘柄を説明する言葉として使います。米国市場でいう「ペニー株」と日本の上場低位株は制度が異なるため、同じものとして扱わないことも重要です。

株価が低いことは、企業価値が割安であることを意味しません。株価は発行済株式数、株式分割・併合、増資などでも変わるため、時価総額、業績、キャッシュフロー、1株当たり指標を合わせて確認します。

クズ株は儲かるのか

結論からいえば、急騰して大きな利益になる銘柄はありますが、「クズ株だから儲かる」という法則はありません。5円が6円になれば上昇率は20%ですが、5円が4円になれば下落率も20%です。東京証券取引所は基準値段100円未満の内国株について通常の制限値幅を上下30円と定めており、低い株価ほど1日の値幅が投資額に与える割合も大きくなり得ます(日本取引所グループ「制限値幅」)。

大幅上昇例だけを集めると魅力的に見えますが、上場廃止した銘柄や長期間低迷した銘柄が見えにくくなる生存者バイアスがあります。成功例は「何倍になったか」だけでなく、同じ条件で抽出した全銘柄の損益分布、最大下落率、売買できた出来高まで確認する必要があります。

ボロ株で儲ける方法はありますか?

確実な方法はありません。検討する場合は、好材料の噂ではなく、会社の適時開示と決算で業績回復の根拠を確認し、許容損失、投資上限、撤退条件を先に決めます。上昇余地の予測より、誤ったときにどこまで損失を限定できるかを優先してください。

クズ株の見つけ方と銘柄選び

株価ランキングだけで選ばず、次の順番で確認します。

  • 公式開示:決算、業績予想、継続企業の前提、資金調達、新株予約権、株式併合、監査意見を確認する。
  • 事業の回復根拠:一時的な特別利益ではなく、売上・営業利益・営業キャッシュフローが継続して改善しているかを見る。
  • 希薄化:増資や新株予約権によって1株当たり価値が薄まる可能性を確認する。
  • 売買のしやすさ:出来高、売買代金、板の厚さ、売値と買値の差を確認し、成行注文だけに頼らない。
  • 上場維持:監理銘柄・整理銘柄、上場維持基準への適合状況を確認する。

重要な会社情報は、会社のIRだけでなく、取引所の適時開示情報で確認できます。日本取引所グループも、適時開示を最新の会社情報を迅速・正確・公平に提供する仕組みと説明しています(日本取引所グループ「適時開示制度の概要」)。

おすすめのクズ株はありますか?

「おすすめ」「ランキング」は時点によって入れ替わり、この記事で特定銘柄の買いを推奨することはできません。株価の安さではなく、公式開示で確認できる回復根拠と、売却できるだけの流動性があるかを条件に絞り込むのが基本です。

機関投資家とクズ株の需給

「機関投資家はクズ株を買わない」とは断定できません。運用規模、投資方針、時価総額、流動性、指数採用などの制約により参加しにくい銘柄はありますが、ファンドや大口投資家が売買する場合もあります。

機関投資家が少ないことは安全を意味しません。出来高が少ない銘柄は、個人の注文でも価格が動きやすく、売りたい価格で相手が見つからない場合があります。東京証券取引所は、価格や売買状況に異常がある銘柄について、売買停止、成行注文の禁止、信用取引規制などを行う場合があるとしています(日本取引所グループ「売買の規制」)。

クズ株投資のリスクと注意点

ボロ株は売れないのでしょうか?

買い手と売り手の注文が一致すれば売れますが、出来高が少ない銘柄では希望価格で約定しないことがあります。大量保有では自分の売り注文が価格を下げることもあるため、板と売買代金を確認し、指値注文や分割注文も検討します。

株は紙クズになることがありますか?

会社の破産や上場廃止などによって、投資額の大半または全部を失う可能性はあります。日本取引所グループの上場廃止基準には、上場維持基準への不適合、銀行取引停止、破産手続、事業活動の停止などが含まれます(日本取引所グループ「上場廃止基準の概要」)。ただし、株価が低い銘柄がすべて倒産するわけではなく、財務と開示を銘柄ごとに確認します。

ペニー株のリスクは?

米国のペニー株は日本株とは制度が異なりますが、米国証券取引委員会は投資額の全部を失う可能性に備えるよう注意を促しています(SEC「Important Information on Penny Stocks」)。低価格、薄い売買、情報の少なさが重なると、不正な勧誘や価格操作の影響を受けやすくなる点は共通の注意材料です。

怪しい勧誘や詐欺情報を見分けるには?

「必ず上がる」「今だけ」「著名人や機関投資家も買っている」といった断定や、SNSの閉鎖的なグループへの誘導は、銘柄の公式情報とは分けて判断してください。金融庁は、著名人をかたる広告から特定銘柄の勧誘や入金へ誘導する手口について注意喚起しています(金融庁「SNS等での投資勧誘にご注意ください」)。企業IR、TDnet、登録を受けた証券会社の情報に戻って確認することが重要です。

過去記事から引き継いだ成功例と注意点

以下では、過去記事にあった成功例、機関投資家、損切り、倒産、分散投資の論点を残しつつ、現在の判断に使う際の注意を補足します。

  1. クズ株は儲かる

  2. クズ株は主に株価100円を下回るような”激安株”のことを言います。

    クズ株は株価水準が低いため、同じ1円の値動きでも騰落率が大きくなることがあります。この特徴が「儲かる」と語られる理由ですが、下落時にも同じ性質が働きます。

    <特徴>
    ☑ たった数円の変動で大きな利益になる
    ☑ 材料と需給が重なれば高騰する場合がある
    ☑ 流動性の制約から大口資金が参加しにくい場合がある

    有名な大企業の銘柄、例えばファーストリテイリングやトヨタと低位株では株価水準が異なります。ただし、実際の損益は株価だけでなく、保有株数と投資金額で決まるため、値上がり額だけを比べるのは適切ではありません。

    騰落率で見ると、株価が低いほど1円の影響が大きくなります。逆にボロ株では、たった1円の値下がりも大きな損失率になります。

    5円の株が6円になるだけで20%の値上がりとなるように、ほんのわずかな値動きで大きな儲けになるのです。

    加えて注目したいのが最低投資額の小ささです。クズ株は1株が安いため、銘柄によっては数千円~数万円程度から買える場合があります。ただし、安く買えることと、希望価格で容易に売買できることは別です。

    業績回復や新事業などの好材料が出て買い注文が集中すれば、株価が短期間で大きく上がる場合があります。一方、材料が実現しない場合や期待が剥落した場合は、急落することもあります。

    最低投資額の小ささと値動きの大きさから、クズ株は大きく儲かる可能性が語られやすい銘柄群です。ただし、買いやすさだけで上昇が決まるわけではありません。

    そして知っておきたいのが、クズ株では機関投資家などの大口資金が参加しにくい場合があるという点です。「プロがほぼいない」と断定できるわけではありません。

    プロとは主に機関投資家のことを指すのですが、何故機関投資家はクズ株をあまり買わないのか。

    それは機関投資家の資金感にクズ株の流動性が追い付かないからです。機関投資家がクズ株を買うとなると、その枚数たるや。数万、数十万株では到底足りない場合もあるでしょう。

    それだけの枚数となると出来高が少ないクズ株では容易に買うことも売ることも難しく、機関投資家は期待する利益を出しにくくなってしまうのです。

    したがって大口資金の参加が限定的な銘柄はありますが、機関投資家の影響や急な需給変化の心配がないとは言えません。出来高が少ない市場では、少ない注文でも価格が動きやすい点に注意が必要です。

    改めてまとめると、以下の3つの理由
    1.たった数円の値動きでも騰落率が大きい
    2.材料と需給次第で株価が急騰する場合がある
    3.機関投資家の参加が限定的な場合もあるが、平穏とは限らない

    こうした要素からクズ株は個人投資家の関心を集めますが、期待利益だけでなく損失確率と売却可能性を同時に確認する必要があります。

  3. クズ株投資の成功例

  4. ここまでクズ株の値動きの特徴を解説してきました。本項では、過去記事で紹介してきたクズ株投資の成功例を、算定条件に注意しながら残します。以下の数値は当時記事上の表示であり、株式分割・併合を調整した現在の比較値ではありません。

    [ケース①:エスプール]
    2011年9月株価:6円
    2021年3月株価:1156円
    倍率:192倍
    所要期間:2329日

    [ケース②:ガンホーオンラインエンタテイメント]
    安値:154円
    高値:15,500円
    倍率:100倍
    所要期間:245日

    [ケース③:ディー・ディー・エス]
    安値:21円
    高値:1,800円
    倍率:86倍
    所要期間:496日

    過去記事では、株価100倍以上になったクズ株や、株価10倍程度であれば5年以内でも128銘柄存在すると紹介していました。ただし、母集団・期間・株式分割調整をそろえた再検証が必要で、上昇しなかった銘柄を含まない成功例だけでは将来確率を判断できません。

    テンバガーは投資家の夢として語られますが、クズ株だからテンバガーに現実的に手が届くとまでは言えません。大幅上昇例は一部であり、倒産・上場廃止・希薄化を含む失敗例も同じ母集団で見る必要があります。

    クズ株は最低投資額が小さく複数銘柄に分けやすい場合がありますが、銘柄数を増やすだけでテンバガーを得る確率が上がるとは限りません。似たリスク要因を持つ銘柄に偏れば、分散効果も限定されます。

  5. クズ株の注意点、リスク

  6. クズ株は大きな上昇率が生じる場合がある一方、損失率も大きくなりやすい投資対象です。ここからはクズ株に投資する上での注意点やリスクについて説明します。

    クズ株に投資する人の多くは必要資金の少なさや通常では巡り合えないレベルの高騰、数円の値上がりで大きく儲かる性質などに惹かれていることでしょう。

    しかしこうした特徴がアナタの判断を狂わせてしまう可能性があるのです。

    <クズ株の注意点>
    世間で語られるクズ株投資の失敗の一つに「ろくに調べてもいない会社の株に手を出してしまった」という話がよく出ます。

    クズ株はたった数円の値上がりでも大きな利益を出せる分、「数円くらいならあがるだろう」というような考えで雑に選んだクズ株を買ってしまう人がいます。

    これでは投資がただのギャンブルになってしまい、儲かるものも儲かりません。

    しっかり企業の情報を調べて、赤字が拡大し続けている会社を避けるなどしつつ、成長性等の上がる要素があるクズ株を探すべきです。

    <クズ株のリスク①>
    少しの値上がりで大きく儲かるということは、逆に少しの値下がりで大きく損をすることでもあります。

    よって損切が非常に重要となってきます。

    よく損失を確定させたくないという心理が働いて損切出来ない方がいますが、そういった方は要注意。

    いつも以上に売買ルールを徹底しないと、思わぬ損失に繋がるかもしれません。

    <クズ株のリスク②>
    クズ株には倒産してもおかしくない企業が含まれています。

    よって一つの銘柄に絞って投資するのは避けた方がいいかもしれません。

    クズ株投資では複数銘柄への分散が語られますが、下落・倒産した銘柄の損失を一つ二つの高騰銘柄で必ず補えるわけではありません。銘柄間の共通リスクと投資総額も管理する必要があります。

    損失を限定するうえで、分散、投資上限、注文方法、撤退条件を事前に決めるリスク管理が重要です。

  7. クズ株が儲かると言われる理由と投資リスクのまとめ

  8. クズ株は一般に100円以下の超低位株を指す俗称として使われます。値動きが大きく最低投資額が小さい一方、流動性・業績・上場維持に関するリスクも大きい投資対象です。

    ☑ たった数円の値上がりが大きな儲け
    ☑ 材料と需給次第で高騰する場合がある
    ☑ 機関投資家の参加が限定的な場合もあるが、需給リスクは残る

    という特徴がありますが、いずれも利益を保証する要素ではなく、反対方向の値動きでは損失を拡大させます。

    クズ株高い損失リスクを許容できる場合に限って検討対象となる投資手法です。銘柄推奨ではなく、最新の適時開示・財務・出来高・売買規制を確認したうえで判断してください。

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