【目次】
有名人の画像を使った広告で、短期急騰銘柄の無料配信サービスを宣伝している「常勝!!株LINE」
BNF氏、馬淵磨理子氏、過去には前澤友作氏や池上彰氏などが本人の許可なく広告に使われてます。
非常に悪質な投資案件ですが、詐欺の可能性はあるのか?
この記事では、常勝!!株LINEの評判や問題点について解説し、広告に使われている有名人も紹介します。
【結論】常勝!!株LINEは投資詐欺?
結論から言うと、常勝!!株LINEは投資詐欺も十分あり得る危険な案件です。
広告の隅々までデタラメに埋め尽くされ、怪しい点しかありません。とりわけ問題なのが以下2点。
- 有名人の画像を勝手に使っている
- 投資顧問会社の名前を勝手に使っている
大問題なのが、有名人の画像を勝手に使用していること。
例えば、かつて一世を風靡した「ジェイコム男」ことBNF氏を騙った広告が出回ってます。
また、地上波テレビでも活躍している馬渕磨理子氏の画像を利用した広告ページも。


これらは全て、無断で画像を使用してる広告ページです。
少し考えれば、有名人がこんな胡散臭い投資案件に加担する事は無いと分かるが、投資に馴染みの無い人だとつい信用してしまうかも。非常に悪質な手口です。
また、有名人だけでなく、投資顧問会社の名前も勝手に使われてます。
例えば、以下の広告ページでは、金商法に基づく表示欄に「株式会社あすなろ」と記載。

株式会社あすなろは実在します。しかし、あすなろが運営してるのは「あすなろ投資顧問」というサービスで、常勝!!株LINEは何の関係もありません。
株式会社あすなろは確かに行政処分を受けるなど問題のある会社ですが、金融庁に登録してる真っ当な投資顧問業者。有名人の画像を勝手に使うほど、落ちぶれてないはず。
実際、常勝!!株LINEの他の広告ページでは別会社の名称を使用し、株式会社あすなろが運営してると思えません。信用性を偽るため、他社の名称を勝手に利用した事は間違いないでしょう。
このように、法律的にも倫理的にも大きな問題のある行動を平気で行ってる時点で、常勝!!株LINEは非常に危険なサービス。
高額な投資商材を売り付けられる恐れがあるのはもちろん、LINEID・氏名・クレジットカード番号などの個人情報を悪用される危険性も十分考えられます。決して利用しないように。
常勝!!株LINEとは?
常勝!!株LINEは、短期急騰銘柄を無料で配信するサービス。「オンラインサロン」を自称し、LINEに登録すると無料で銘柄情報を得られるそうです。
ただ、広告ページによって言ってる事が違っており、例えば以下のページではAIによる銘柄抽出サービスを謳ってます。

LINEで情報を配信するのは共通でしょうが、具体的にどのようなサービスが提供されるか明確に書いているページは無く、何が何だか良く分からない事に。
銘柄を無料で配信する目的も分からなければ、何を学ぶオンラインサロンかも不明。
ただ「無料で急騰銘柄が貰えるよ!」と宣伝しているだけの、非常に胡散臭いサービスです。
評判にはポイントサイトでポイントが貰えるとか…
常勝!!株LINEの評判はほとんど見られません。あまりに怪しすぎて、誰も利用してないのでしょう(笑)
SNSでは、常勝!!株LINEを批判する投稿がいくつか見つかりました。


有名人の画像を勝手に利用している事などが批判されてます。
一方で、”なぜか”常勝!!株LINEを勧める投稿も見られました。


どれも、「ポイントサイトを通じてLINEに登録してもらう」という内容の投稿。
どうやら常勝!!株LINEは、Web広告だけでなく、ポイントサイトも利用して集客してるようです。なんでこんな案件を掲載してるんだよ……
当然、ポイント狙いで常勝!!株LINEに登録するのは非常に危険。たった数ポイントのために個人情報を売り渡すようなものです。
運営会社は不明
常勝!!株LINEの運営会社は不明。ほとんどの広告ページは特商法表示が見当たらず、あっても「株式会社あすなろ」など別会社を騙ったものしかありません。
ただ、背後にいるのは中国系の企業、ないし集団である可能性が。と言うのも、WordPressで作成した広告ページのあちこちに中国語の表記が見つかり、日本語としても不自然な箇所があるからです。

もっとも、別の広告ページは日本人にとって違和感の無い作りになってる事もあり、国籍は関係ないグループかも。いずれも、正体不明の集団が背後にいるようです。
Yahoo知恵袋や他サイトの記事によれば、常勝!!株LINEの運営会社として以下の企業が挙げられてます。
- 株式会社カイザー
- 株式会社シルバータイムズ
株式会社カイザーは大岩川源太氏の「先乗り株カレッジ」などを販売した企業で、確かに胡散臭いところが。
また、株式会社シルバータイムズに関しては、過去に桐谷広人氏などの有名人を騙ってLINEに登録させるという、同じ手口の広告を出してます。

シルバータイムズの代表である帝井少輔(てい・しょうゆう)氏は北京出身で、岐阜県知事選にも出馬した人物。
現在は日本国籍を取得してますが、元中国籍で有名人の画像を勝手に使用した疑惑があるなど、常勝!!株LINEとの関連性が疑われます。
ただ、シルバータイムズは単なる介護関連の会社で、投資と関係ないのは気になる。
常勝!!株LINEが別会社の名前を騙った事を考えると、先乗り株カレッジもシルバータイムズも、勝手に名前を使われた可能性は十分あり得ます。
結局、常勝!!株LINEがどのような企業や集団によって運営されてるか謎ですが、悪質な集団である事に間違いありません。決して利用しないでください。
料金は無料?
常勝!!株LINEの料金は無料とされてます。ただ、銘柄情報を教えてくれること以外何をやるか分からないサービスなので、無料と言われても別に嬉しくありません(笑)
無料で銘柄を教えるサービスは多くの投資顧問会社で行われてますが、常勝!!株LINEは投資顧問業者として金融庁に登録しているわけでもなし。なぜ無料で教えてくれるか、わけが分からないです。
後々、高額な投資案件に勧誘されるのがオチだと思いますが、最悪の場合は個人情報を悪用される可能性も。「タダより高いものは無い」の言葉通り、注意しなくてはなりません。
実績はデタラメな数字を並べてるだけ
常勝!!株ラインの広告ページには、「推奨銘柄が3倍4倍になった」という実績が紹介されてます。

当然、これらの実績は信用に足るものではありません。適当に伸びた株のチャートを引っ張ってきて、貼り付けているだけでしょう。
「株株提供銘柄実例」なんて、他サービスを思わせる謎の言葉が付いてるのも怪しいポイント。
他の広告ページも「2日で26%の利益」だの、「月利100%達成」だのと景気の良い実績が紹介されてますが、いずれも信用できません。数字に騙されないでください。
利用方法
常勝!!株LINEの利用方法は、広告ページから登録を行い、LINEグループチャットに参加させる流れです。

LINEに登録させる手口は、悪質な投資案件が良く使うもの。個別にやり取りできるLINEに引き込んで、後に高額な投資案件に勧誘する手口です。
常勝!!株LINEのグループチャットには、「○○先生のおかげで稼げました!」とサクラの投稿が溢れ、それを通じてサービスの優位性をアピール。
信用を得て、高額な投資案件を売り付ける流れと思われます。
もちろん高額案件だけでなく、LINEIDを悪用されたり、少額の投資案件を買わされてクレジットカード番号を抜き取られたり、といった事も考えられます。遊び半分で利用しない方が良いでしょう。
常勝!!株LINEに利用されている有名人
常勝!!株LINEの広告ページは、様々な有名人の画像が勝手に使われてます。
ここでは、どのような人物が利用されているか紹介。
BNF(小手川隆)
BNF(小手川隆)氏は、かつてメディアにも多数出演した有名トレーダー。
常勝!!株LINEの広告ページでは顔写真の他、テレビ番組の画像まで使われてます。

BNF氏は160万円を元手に200億円以上の資産を稼ぎ出した人物で、ジェイコム誤発注事件によって数十億円の利益を得た事から「ジェイコム男」の異名で呼ばれてます。
2000年代は頻繁にメディア出演し発言してたものの、近年は全く露出してません。
ただ、「札幌市すすきの」にビルを建てた事などが時々ニュースになり、未だに投資家としての活動は続けてます。
メディア出演をほとんど行ってないBNF氏が、常勝!!株LINEにだけ広告に使う許可をしたとは考えにくい。無断で利用したのはまず間違いないでしょう。
馬渕磨理子
馬渕磨理子氏は、Nスタなど多数の地上波テレビ番組に出演してる経済アナリスト。
常勝!!株LINEの広告ページでは名前こそ掲載されてないものの、顔写真がデカデカと掲載されてます。

3年間専業トレーダーを続けた後、投資家向け情報サービス企業のフィスコへ入社。
その後は「株式会社keen insigh」を設立し、一般社団法人「日本金融経済研究所」の代表理事を務めたりと、幅広く活躍してる人物です。
馬渕氏は自分が怪しい投資案件の広告に使われてる事を認識しており、「夜も眠れないくらいしんどい」などと語っています。

インタビューからも分かる通り、彼女の画像が無断使用されているのは明らか。
現在も活躍してる人物であるだけに、大きな広告効果を狙っての悪行でしょう。
唐鎌大輔
唐鎌大輔氏は、みずほ銀行のチーフマーケット・エコノミストとして活動してる人物。
常勝!!株LINEの広告ページでは顔写真だけでなく、名前や経歴までまるまる利用されてます。

慶応義塾大学出身で、JETRO・日本経済研究センター・欧州委員会の職員を経験した金融のスペシャリスト。『「強い円」はどこへ行ったのか』など複数の著書を持っており、強い権威性のある人物です。
広告ページではあすなろ投資顧問と組んで銘柄選定AIを開発した設定になっており、権威性を付与するために利用されてます。「名前から経歴まで利用されている」という点で非常に悪質です。
市川雅浩(前澤友作?)
市川雅浩氏は、三井住友DSアセットマネジメントのチーフマーケットストラテジスト。
常勝!!株LINEの広告ページでは、顔写真と共に名前と経歴が利用されてます。

旧東京銀行で為替トレーディング業務や市場調査業務に携わった経験を持ち、『ダイヤモンド・オンライン』など複数のメディアに寄稿してる人物。
三井住友DSアセットマネジメントでは、「市川レポート」という市場解説記事を執筆してます。
広告ページを見ると、市川氏の顔写真と共になぜかZOZOの「前澤友作」氏の名前が記載されてる箇所が。

もしかすると、常勝!!株LINEは前澤氏の名前を使った広告を過去に使ってたのかも。
それをテンプレートとして使い回した際、名前を修正し忘れたのでは。
もし、市川氏に許可を取ってるならこんな失礼な間違いをするはずないし、しても即刻修正するはず。無断使用は明らかでしょう。
その他の使われた有名人
その他にも、常勝!!株LINEに勝手に名前や顔写真を使われた人物は多数います。
今回確認できた広告ページでは「三浦隆之介」および「宮崎正敏」という人物が利用されてました。


この2人は情報が見つかりませんでしたが、許可を得て掲載してる可能性は低いでしょう。どこかから、勝手に使用されていると思われます。
その他、個人投資家の「テスタ」氏、タレントの「西野亮廣」氏、ジャーナリストの「池上彰」氏も広告に利用された情報が見つかりました。
Facebookにまたニセ西野亮廣広告が出てた。試しにページを開いてみたら、『常勝!!株LINE短期急騰銘柄』の文字が。「東大の新谷元嗣と私が手を組んで」だって。西野さんはこんな事絶対にしないよな。#西野亮廣エンタメ研究所 #西野亮廣 pic.twitter.com/Subj2ZB6kI
— まぼたんこなす (@mabotankonasu) June 22, 2023

こういった有名人を騙る広告は、消費者を騙すのはもちろん、有名人が詐欺に加担してるという誤解を招くもので、非常に悪質。
常勝!!株LINEの存在は数年前から確認され、未だに行政が対応する気配がありません。今後も人物を変えながら、同じような広告を出すと考えられます。
有名人の画像を使いながら、「無料で銘柄情報をプレゼントする」と称してLINEへ誘導する広告を見かけても、決して利用しないでください。








