【目次】
急騰期待のテーマ株を自動で抽出してくれるというAIツール「IF(イフ)」。株の知識や経験を必要とせず、誰でも急騰銘柄を見つけ出せると話題です。
バックテスト時に勝率80%超の勝率を記録したと言いますが、本当に信用できるか?
この記事では、IFの評判や問題点について調査し、怪しいAIツールか解説します。
【結論】IFは信用できるAI銘柄抽出ツール?
結論から言うと、IFは全く信用ならないAI銘柄抽出ツールです。詐欺か分からないものの、広告を見る限り詐欺的な投資案件と変わりません。
IFが信用ならないと言い切れる大きな理由は以下の3点。
- 運営会社が金融庁に登録していない
- 誇大な広告を出している
- 料金が高すぎる
まず、IFを運営している「合同会社チェンジ」は金融庁に登録していない未登録業者です。
特定の銘柄を選定・推奨する行為は基本的に投資助言に当たり、業としてやるなら投資助言・代理業の登録が必須。AIによる銘柄抽出でもその点は変わりません。
実際、過去にはAI関連の投資助言サービスを提供していた企業が金融庁から警告を受けています。それが、「合同会社ロイヤルトラスト」という企業。

ロイヤルトラストは「AIスクリーニング」というサービスを提供しました。が、これが無登録で金融商品取引業等を行っているとみなされ警告を受けています。
AIスクリーニングの詳細は不明ですが、名称と金融庁から警告を受けている事実から、AIを用いた銘柄抽出サービスであるのは確実。IFと同じ形態のサービスだったのでしょう。
過去に類似サービスが警告を受けた事例がある時点で、IFが信用ならないサービスであるのは明白です。
しかし、IFを勧める人の中には「IFは単なる銘柄抽出サービスであって投資助言とは違う」と主張する人が。仮にそうだとすれば、IFの広告ページにある以下の文言はどういう意味なのでしょう?

広告ページでは「株の知識や経験は一切関係ありません」と断言しています。単なる銘柄抽出サービスなのに、なんで知識や経験は関係ないなんて言い切れるんですかねぇ。
売買タイミングの助言を行わないのであれば、取引時に株の知識や経験は絶対に必要になるから、いらぬ誤解を招く誇大広告としか言いようがありません。
反対に、投資助言を行えば知識や経験はいらないかもしれませんが、投資助言業に。要するに、こんな広告を出している時点でIFは”詰んでいる”のです。まさか……
株の知識や経験が関係ないのは銘柄のセレクトについてだけだ!その他の部分まで知識や経験が関係なとは言っていない!
なんて言いませんよね?それこそ誤解を招く広告を出しておきながら、誤認したユーザーに責任転嫁する詐欺師の論法ですよ(笑)
さて、極めつけに怪しいのはIFの価格。広告ページの製品情報に記載があるが、まぁとんでもなく高額なんです。

一番安い「AI System I」で25万円、最も高い「AI System Black」に至ってはなんと500万円!たかだかAI銘柄抽出ツールに25万円、果ては500万円もの大金を要求している時点で、どう考えても悪質な案件。
AIスクリーニングなんか証券会社が提供している無料のものがたくさんあるし、有料のものでも月額1,000円程度で利用できますよ!
これだけ怪しい要素が揃っているIFを、どうして”優良ツール”などと言えるのか……?
まとめると、AI銘柄抽出ツールのIFは運営会社が金融庁に登録しておらず、誇大広告や不当に高額な製品を提供しているなど怪しい点が満載。絶対に関わってはいけない類のサービスです。
広告ページには連絡先を記載していたり、会社情報を明記していたりと、一見まともそうに見えますが、書いていること自体は滅茶苦茶です。見た目に騙されないように。
IFとは?
IFは、急騰期待のテーマ株をAIが自動で抽出してくれるツール。
話題のニュースやSNS上のトレンド・外国人投資家の動向・アノマリーなど、様々なファクターを分析。大きな上昇や下落が期待できる銘柄を発掘します。いわゆる、AIスクリーニングツールの一種ですね。
「精度の高いAI分析でお宝銘柄を発掘!」などと謳って高額サービスを購入させるような、怪しい投資案件が近頃バンバン出ているジャンルです。
ちなみに、合同会社チェンジのコーポレートサイトによれば、2025年4月時点では「株式情報をAIで整理・カスタマイズして提供するスマートフォンアプリ」を目指していた模様。

収益モデルは広告や拡張機能の有料サブスクを予定していたようです。それがどうして、高額な買い切りツールになっちゃったんですかねぇ……
当初の方針で行けば、AIを活用した便利な情報まとめツールとして話題になったかもしれないのに、一体何があったのか。なんだか”キナ臭さ”を感じますね。
評判は”なぜか”高評価の口コミがたくさん……
IFは2025年夏に開始したばかりのサービスですが、なぜか高評価の口コミがたくさん見つかります。




まぁ、サクラでしょうね(笑)薄っぺらいコメントばかりで、批判的なコメントが一つも見当たらないのは明らかに異常です。
どんなに優れたツールでも、10の口コミがあれば1つは批判的なコメントがあるもの。悪い口コミが見当たらず、紋切り型の良い口コミしかないところを見ると、サクラコメントであるのは確実です。
IFはAI銘柄抽出ツールとしてはもちろん、怪しい投資案件としての悪評すら広まっていないので、どんな手を使ってでも知名度を高めたいのでしょう。
この記事を読んでいる方は騙されないと思いますので、IFの賢明な努力(笑)を生暖かい目で見守ってあげれば良いのでは。
運営会社は「合同会社チェンジ」
IFを販売しているのは「合同会社チェンジ」
会社名 | 合同会社チェンジ |
所在地 | 愛媛県松山市桑原2-7-20-407 |
設立 | 2025年1月28日 |
代表取締役 | 新田大樹 |
資本金 | 不明 |
電話番号 | 050-1722-5183 |
メールアドレス | [email protected] |
事業内容 | AI銘柄抽出ツール「IF」の販売 |
資格 | なし |
合同会社チェンジは愛媛県に拠点を構える会社ですが、IFの販売以外に何をやっているか良く分かりません。
コーポレートサイトでは「データとテクノロジーの力で、より冷静で賢い判断をサポートする」などと書いており、投資情報を提供する会社を自称してはいるようです。

ただ、「私たちは投資の意思決定をサポートする情報を提供しますが、助言や推奨は行いません」「あくまで中立的な立場で、データと動向をお届けします」とも書いています。

「決して投資顧問ではないですよ!投資助言はしていませんよ!」と、一生懸命主張している小賢しいクソガキみたいで可愛いですね(笑)
その他に合同会社チェンジの実態が見えてくる情報も無く、どこの馬の骨とも分からない企業といった印象。
AI銘柄抽出ツールを作る技術力はもちろん、投資に関する知識・ノウハウがあるかすら怪しいです。
ちなみに、住所は愛媛県松山市にある「セレネ三番館」という4階建てマンションの一室である模様。

結局のところ、個人事業主に毛が生えた程度の会社でしょう。信用できません。
料金は25万円以上。最大500万円!
IFは無料版を配信していますが、本格的に利用するには有料版を購入する必要が。その価格は以下の通り。
製品名称 | 価格 |
---|---|
AI System I | 25万円 |
AI System II | 100万円 |
AI System III | 100万円 |
AI System IV | 150万円 |
AI System Black | 500万円 |
一番安い「AI System I」が25万円。その後、II・III・IVとレベルアップするにつれ100万円・150万円と高くなり、最高の”Black”になると500万円という投資顧問業界でも滅多に見ない金額に跳ね上がります。
なお、これらの製品の違いは広告ページやコーポレートサイトのどこにも記載がありません。いやいや……(笑)過去の類似サービスを参考にすると、1日に配信される銘柄数や抽出回数が異なるのでは。
例えば、「Stock Sieve」という似たようなAI銘柄配信サービスでは、価格の高いものほど配信期間と回数が増える仕組み。
IFも「AI System I」だと機能が限定されるという名目で、高額な製品を買うよう勧められる事が予想されます。無料で銘柄を提供するお試し版を利用した後に案内があるはずですので注意。
投資手法はネット情報を分析し急騰銘柄を抽出するもの
IFが用いる投資手法の詳細は良く分かっていません。ただ、とにかくネット上の様々な情報を集めて分析する事で、急騰する銘柄を抽出しているようです。
広告ページによれば、IFは以下のファクターを分析しているとのこと。
- SNS上のトレンド
- 話題のニュース
- 外国人投資家の動向
- コングロマリット企業の発掘
- アノマリー
- 米中問題
- デジタル革命
- コロナウイルス
- 国策関連
- 米大統領選
何というか、それっぽいテーマを並べただけに見えますね(笑)当然の事ながら、これらの情報をどのように処理し銘柄抽出に繋げるかという仕組みは一切説明されていません。
「とにかくAIに任せれば全て解決するんだ!」というお気楽な頭の人でなければ、こんなサービスを信用なんかできないでしょう。
実績は一見優れているが……
IFの広告ページには、これまでに抽出した銘柄の実績が公開されています。紹介されている実績をまとめると以下の通り。

銘柄名 | 抽出日始値 | 高値 | 利益率 |
---|---|---|---|
Liberaware [218A] | 996円 (2025/05/16) | 1,979円 (2025/06/20) | 198.0% |
イクヨ [7273] | 426円 (2025/04/25) | 852円 (2025/06/30) | 200.0% |
キオクシアホールディングス(株) [285A] | 1,702円 (2025/02/07) | 3,250円 (2025/03/18) | 225.6% |
ブルーイノベーション(株) [5597] | 515円 (2024/12/25) | 1,339円 (2025/02/25) | 267.8% |
(株)Schoo [264A] | 698円 (2024/10/28) | 1,736円 (2025/02/17) | 254.1% |
(株)メタプラネット [3350] | 935円 (2024/10/11) | 7,210円 (2025/02/10) | 771.1% |
さくらさくプラス [7097] | 960円 (2024/12/10) | 2,421円 (2025/01/31) | 252.1% |
株価が2倍以上になっている銘柄が多く、パッと見はなかなかの実績。一時期話題になったメタプラネットも抽出していたようです。
ただ、IFはあくまでも”銘柄抽出サービス”を謳っているため、売買タイミングは自分で見極めなくてはならないはず。なので、この実績通りの利益が得られるかは、投資する人の実力次第です。
IFは投資のサポートツール程度のもの。しかも、高機能なチャートソフトのような分析はできません。
その程度のツールに25万円、さらには500万円も支払うなんて、馬鹿馬鹿しいと思いませんか?
利用方法
IFに申し込むには、広告ページからメールアドレスを入力して無料登録する必要が。

その後、メールアドレス宛てに会員ページへのアクセス方法等の案内が来るので、それに従って無料の銘柄情報を受け取ってください。もし気に入ったら、会員ページから有料会員への申込みを行う、という流れになります。
無料銘柄はメールアドレスを登録するだけで貰えるので、気になる人は試してみても良いかも。ただし、その後しつこい勧誘などが来ることは確実です。
もっと言えば、この銘柄が本当にAIによって抽出されたものかも分かりません。個人情報もどのように利用されるか知れたものではありませんしね。
遊び半分で捨てアドを使って試してみる程度であれば良いですが、有料版を利用するなど深入りする事は避けた方が良いでしょう。
IFの類似サービスに注意
「AIによる急騰銘柄」「お宝銘柄の抽出」を謳ったサービスは、IF以外にも多くあります。
ここでは、過去に当サイトで紹介した類似のAIサービスを紹介します。
WAKABA AI

「WAKABA AI」は、短期間で急成長する”超高確率”銘柄を選定するAIサービス。世界の市場動向や経済ニュースの他、個人のSNSデータも網羅して正確な銘柄抽出を行っているそう。
料金は5万円から。具体的にどのようなプランがあるか広告ページに記載されていませんが、最高で300万円という高額プランが用意されている噂が。
「短期間に急騰する銘柄を抽出する」という特徴や、「SNSデータなど幅広い情報・データを活かしている」など、IFとかなり共通点が見られます。複数の高額プランを用意している点もそっくり。
ちなみに、WAKABA AIの運営「株式会社システムフロー」は当然の如く金融庁に登録していません。この点もそっくり(笑)
WAKABA AIは別の投資顧問会社を騙って広告を出すなど、かなり不審な動きをしたサービス。IFも似たような行為に及ばなければ良いですが……
Stock Sieve(ストックシーブ)

「Stock Sieve(ストックシーブ)」は、AIが膨大に存在するデータを超高速で解析する事で瞬時に上昇率の高い銘柄を選別できるツール。現在は広告ページが削除、提供は終了しています。
Stock Sieveも、経済ニュース・決算情報・SNS上の情報を超高速で分析して”大化け銘柄”を抽出する仕組み。IFやWAKABA AIと同じですね。
この「膨大な情報・データを瞬時に分析する」というのは、怪しいAI投資サービスにおける殺し文句となっているよう。この言葉を見かけたら警戒してください。
ちなみに、Stock Sieveを購入すると、なんとソフトがダウンロードされたタブレットが自宅に送りつけられます。

タブレット送りつけるくらいなら、「ソフトをダウンロードさせてくれよ!」 と思いますね(笑)この点、IFの方がまだスマート。
価格はWAKABA AIと全く同じで5万円から、最高で500万円という話も。500万円で謎のタブレットを買うという斬新な体験をした人は何人いたのか……気になりますね。