【目次】
元手不要で毎日7万5,000円が稼げるという、いかにも怪しい売り文句で広告を出している「セレクション10」
全自動で投資を実行してくれるシステムで、現在無料モニターを募集しています。
誰が見たって怪しい副業ですが、一体どのようなサービスでしょうか?
この記事では、セレクション10の概要と怪しい点について解説します。
【結論】セレクション10は怪しい点しかない!
結論から言うと、セレクション10は怪しい点しかないサービスです。
特に問題なのが以下の3点。
- 1日平均7万5,000円という非現実的な利益額
- 元手0円で始められるという記載
- 初期費用なしという誤解を与える文言
セレクション10の広告ページでは、「1日平均7万5,000円が自動で入金される」などと記載されています。
ところが、同時に「元手のお金は一切不要」などとも書かれており、まるで何もないところからお金が湧いてくるかのように書いています。もうこの文言だけで怪しいサービスと判断できますね。

しかも、セレクション10は元手として「1万円」を想定しており、そこから毎日7万5,000円を稼ぎだすとのこと。「元手0円」のからくりは、この1万円を事前に立て替えてもらう事ができる制度のことで、稼いだら1万円を返せば良いそうです。
しかし、1万円の元手で毎日7万5,000円を稼ぐというのはあまりに非現実的ですし、もし本当だとしても2日目以降はもっと効率的に運用できるはず。5日で4億円稼げますよ(笑)なんで資金が増えても7万5,000円で止めちゃうんでしょうねぇ……
また、初期費用なしというのは真っ赤な嘘。実は無料モニター後に、「SELECTION MEMBER’S CLUB」というオンラインコミュニティの会員にならなくてはセレクション10を使い続けられません。で、その会員費が「22万7,000円」
これだけの金額を取られるとなると、ほぼほぼ詐欺で間違いないでしょう。金を取るだけ取ってトンズラされる可能性大です!
他にも怪しい点はいくつもありますが、それは後に解説。いずれにしても、セレクション10は広告ページを見るだけでも非常に危険なサービスという事が明確です。決して利用しないようにしてください。
セレクション10とは?
セレクション10は、「奥山政幸」という人物が開発した全自動のトレーディングシステム。157人の投資家の中から成績順に10名が厳選され、さらにその中からユーザーが心に決めた1人を選んで元手の1万円を代わりに運用してもらう、というシステムです。
やけにまどろっこしいシステムで、10人の中から1人を選ぶ理由も謎であれば、実際には代理運用しているのではなく、その投資家と同じ方法で自動売買をしている、などと言い訳しているのも意味が分からない。どっちにしたって代理運用しているのでは?
で、当然のごとくセレクション10の運営は投資助言・代理業の資格を持っていません。というか、会社名をどこにも記載しておらず、資格があるのかないのか分からないんですよねぇ……

まぁ、十中八九”未登録”の業者でしょう(笑)
自動売買システムの販売やレンタルは、投資助言・代理業に該当すると財務省が注意喚起しています。

セレクション10の場合、「SELECTION MEMBER’S CLUB」の会員になって利用する。という形式なので、明らかに自動売買システムのレンタルでしょう。まず間違いなくアウトです。
セレクション10のような怪しい自動売買システムは未だにネット上に蔓延っています。法律違反はもちろん、詐欺の可能性も非常に高い投資案件には近寄らないようにしてください。
評判は「23万円以上だまし取られた」との口コミが……
セレクション10についての評判はほとんど見かけません。本当に何もしなくても稼げるのなら、もっと評判になっていても良さそうなものですが……
辛うじて見つけた口コミでは、「23万円以上だまし取られた」とのこと。
ペガサスユニコーン幸です。今年は、ダイヤモンドファンドの市川ひかりさんに、168.900円騙されて、セレクション10の奥山さんに、23万800円をだまされた、年でした。来年は、騙されない年にしたいです。皆さん騙されませんよに。
— 幸雄 (@5Y3z7lHzQHpf8RT) December 12, 2021
まぁ、そんなところでしょうね……ほぼほぼ投資詐欺確定です。
ただ気になるのは、このSNSの投稿日が2021年ということ。他のセレクション10に関する投稿も2021年前後のものが多く、この時点から続いているサービスと分かります。


コロナ禍の頃、将来の不安に漬け込んで「稼げる副業」を謳った投資詐欺が蔓延りましたが、セレクション10もその内の1つだったかもしれません。
ちなみに、良い口コミは一件も見つからず(笑)当然ですね。
運営会社は不明だが……
セレクション10の運営会社は、先述した通り分かりません。特商法表示には運営統括責任者として「奥山政幸」氏の名前があるのみです。
ただ、奥山氏は過去に「ELDORADO」という怪しい投資案件にも関わっていました。
このELDORADOを運営していたのが「合同会社TENDER」という長野県の会社。ELDORADOの広告ページは現在見つかりませんが、多くのサイトで指摘されています。
このTENDERという会社、相当うさん臭く、「STEP ONE」という別のサービスでは同じ住所で「合同会社トラスト」という社名を名乗っています。
セレクション10を運営しているのが合同会社TENDER(合同会社トラスト)かは不明ですが、奥山氏という全く知名度の無い人物を広告塔にして投資案件を販売している辺り、何らかの関係はあるでしょう。
ちなみに、セレクション10の特商法表示には「東京都品川区南品川5-16-7」という住所が記載されており、ここには「U-make」というコワーキングスペースがある事が分かっています。

果たして、セレクション10の運営は合同会社TENDERなのか、それとも奥山氏が個人事業として提供しているサービスなのか……
真相は不明ですが、怪しい事だけは間違いありません。
運営統括責任者「奥山政幸」
奥山政幸氏は、セレクション10の運営統括責任者兼開発者である人物。
もともと外資系の投資会社出身で、シンガポール・アメリカ・インドなど、様々な国を渡り歩いていたとのこと。年間30億円前後の資金を運用していたそうです。

「投資クリエイター(?)」として活動しており、これまでに指導を受けて稼げるようになった教え子は500人以上。国内外で雑誌等のメディアを通じ注目を集めていると言いますが、全く聞いた事がありません(笑)
セレクション10は彼の人生の集大成らしいですが、こんな詐欺紛いサービスが集大成なのだから、この経歴もデタラメでしょう。何1つ信用なりません。
仕組みは「投資家の手法を再現した自動売買」
セレクション10は自動売買となっており、詳しい仕組みは公開されていません。
公式の言い分では、10人の投資家の中から1人を選んで、その人の手法を再現した自動売買を行うそうです。
投資対象は株・為替・仮想通貨などがありますが、投資家によって得意なジャンルは異なるとのこと。
ユーザーがやることは10人の投資家の中から1人を選ぶだけです。
何もしなくてもお金が貰えると言っているに等しく、怪しい事この上ありません。
料金は22万7,000円
セレクション10の料金は、最初のモニターは無料で利用できるとのこと。
ただし、これはあくまでも体験版。
セレクション10の本サービスを利用するには、22万7,000円の「SELECTION MEMBER’S CLUB」に入会しなくてはなりません。
無料モニターで釣って高額商品を買わせる、という典型的な悪徳商法です。
実績は毎日6~7万円?
セレクション10の紹介動画では、各投資家の1ヶ月の実績が公開されています。
一例を示すと以下の通り。
投資家名 | 先月の実績 |
---|---|
岡野ダイシ | 2億7108万5403円 |
プロトレーダーMATSU | 3億4519万842円 |
田辺陽平 | 2億5273万5224円 |
ふざけた名前の連中が2億だの3億だのという利益を1ヶ月に挙げている模様。すごいですねぇ……(笑)
投資結果も公開しており、それによれば毎日6~7万円程度入金されているようですが、適当に作った嘘の実績でしょう。こんな話に騙される人はハッキリ言って救えません。
利用方法・退会方法
詐欺の可能性が高いセレクション10ですが、利用方法を共有しておきます。悪徳業者の良くある手口として参考にしていただければ。
セレクション10を利用するには、まず無料モニターに申し込む必要があります。

メールアドレスを登録すると、サイトのURLが送られてくるので紹介動画を視聴。
その後、同じページにある会員登録フォームから、氏名・メールアドレス・パスワードなどの必要事項を記入するとモニター版が利用できるようになります。
あとはページにログインして、「この投資家に決定する!」ボタンを押せば自動で投資を開始してくれるとのこと。
なお、退会方法はサイトのどこにも書いていません。連絡先もメールアドレスしか記載がないので、一度お金を払ったら取り返す方法は無いでしょう。
このような業者にメールアドレスやパスワードなどの情報を渡すと、どのように悪用されるか分かったものではありません。遊び半分でも関わらない事をおすすめします。
【検証】セレクション10とファンドメイトの奇妙な共通点
セレクション10とよく似た怪しい投資案件に「ファンドメイト」というものがあります。
過去に当サイトでも紹介しました。

この2つの投資案件にはサイトの作りやサービス概要など、共通点が非常に多くなっています。
ここでは、両サービスの共通点を紹介し、背後にある関係性を探ります。
「元手不要」で開始できる
セレクション10とファンドメイトの共通点で最も目立つのが、”元手不要“というもの。
セレクション10では「1万円を受け取り稼げたら返す」という形でしたが、ファンドメイトでは「専用の口座を作成した上で、証券会社への紹介料をそのままプレゼントしてくれる」という形です。

「元手いらずで稼げる」といういかにも魅力的な内容で釣って、高額なオンラインコミュニティに参加させるという手口もそっくり。同じ業者が運営しているか、ノウハウが共有されているとしか思えません。
ちなみに、ファンドメイトの運営は「合同会社Renaissance」という会社。投資関連事業をやっている合同会社は、エクシアの例を引くまでもなく、怪しいところが多いです。”合同会社”の4文字を見た時点で警戒した方が良いですね。
完全自動で何もせずに稼げる
セレクション10は「選んだ投資家の手法で自動売買するシステム」でしたが、ファンドメイトも「起動するだけでAIが自動で投資してくれる」というもの。何もせず、ほったらかしにするだけで稼げるなどと謳っています。
「初心者でも稼げる」「知識がなくてもOK」などといった誇大な文言も共通。どちらも「ラクして稼ぎたい」という情弱を吊り上げるような広告となっています。
ちなみに、ファンドメイトは「1日平均3万円」が稼げるとのこと。セレクション10の1日平均7万5,000円より控えめですが、寝ていても稼げるなどと書いている辺り悪質さは変わりません。
このように、2つのサービスは人を騙すパターンが共通しています。
プライバシーポリシーが完全一致
セレクション10とファンドメイトでは、プライバシーポリシーが完全に一致しています。
ファンドメイトではなぜかタイトルが「特定商取引法に関する表示」となっていますが、それ以外の文言は完全一致。ページ下部に「閉じる」ボタンがある事や、ページが別タブで開かれる所までそっくりです。
プライバシーポリシーのテンプレートはネット上にたくさんありますが、この2つのサイトで使われているものは個人情報の削除方法すら書いていないお粗末なもの。何より、似たような投資案件で全く同じテンプレートを使っているのは偶然とは思えません。
おそらくですが、詐欺グループの間で商品開発マニュアルや広告ページ作成マニュアルなどが共有されているのでは?ここまでそっくりな商品・サイトが、互いに関係のない業者によって作られたとは思えません。
先に紹介した「STEP ONE」も同じような構造になっており、投資案件以外の商品にも詐欺グループが手を広げているように思われます。
怪しい投資案件というのは多かれ少なかれ同じような見た目・内容になっていますが、セレクション10やファンドメイトはあまりにも似すぎており、かえってこの形式のサイト=詐欺サイトとすぐに気付けます。
このような詐欺サイトと連絡を取ると高額商品を買わされるのはもちろん、個人情報を悪用される恐れもあります。皆さんはこのような広告ページを見つけても、決して関わらないようにしてください。