【目次】
”伝説のファンドマネジャー”の異名を持つ「林則行」氏が講師を務めるオンライン投資講座「投資部」。元アブダビ投資庁ファンドマネジャーのノウハウが学べると話題になっています。
ところが、ネット上では投資部に対して「怪しい」という噂も。実際、公式サイトに料金の記載が無いなどの不審点も見つかり、有名人が講師を務めているからといって全面的に信用できるわけではないようです。
この記事では、林則行の投資部の評判や林氏の経歴について紹介し、怪しいサービスか解説します。
【結論】林則行の投資部は怪しい?
結論から言うと、林則行氏の投資部に怪しい点があるのは事実です。林氏の実力は定評があるものの、投資部に関してはあまり信用できません。
特に違和感を覚えるのが、投資部の公式サイトに料金の表示がないこと。投資部はオンライン学習講座を謳っていますが、料金どころか、どのようなカリキュラムで何が学べるかも具体的には分かりません。
その代わりに無料の動画講座を配信しており、どうやらこれを見終えたら受講費用が分かる模様。

このように、費用について説明しないまま無料の動画講座や説明会に誘導。”教育”して関心を高めてから料金を提示するやり方は、多くの怪しい投資案件で用いられている手法です。
受講費用は「27万5,000円」という情報がネット上に出回っていますが、その金額が現在も同じかは分かりません。人によって異なる金額を提示している可能性も考えられます。
このように、肝心な料金について秘密にしている事は、投資部が怪しいサービスだ。と考える根拠の1つです。
その他にも、運営会社が投資と関わりの無い企業である事や、”裏情報”を匂わせて客を釣っている事など、怪しい点はまだ見られます。
林氏に関しては一定の信頼性がある人物ですが、投資部に関しては怪しい点が多くあまりおすすめできません。利用するとしても無料コンテンツを見るくらいに止めた方が良いでしょう。
林則行の投資部とは?

投資部は、林則行氏が発足した投資を学べるオンライン動画講座。元ファンドマネジャーの林氏自ら講師を務め、プロのノウハウを学ぶ事ができます。
公式サイトでは、無料講座として以下の動画を配信しているとのこと。
- 大暴落は確定してる。ぼくが掴んだ裏情報とは?
- 世界の最前線で勝ち抜いた投資の絶対ルールとは?
- 投資のチャンスが生まれる7つのポイントとは?
動画タイトルを見て分かる通り、元アブダビ投資庁で活躍していた世界的なファンドマネジャーのノウハウが学べるということで、一見期待できそうです。
ただ、肝心の投資部に入って何が学べるかは、公式サイトのどこにも記載がありません。一部のサイトでは「35以上のカリキュラム」があると言われていますが、具体的な内容は一切不明です。
受講期間・料金を含め何もかもが不明。これでは怪しいという声があっても不思議ではありません。
評判は運営会社の自作自演!?
投資部の評判はほとんど見つかりません。SNSや口コミサイトでも、実際に受講した人の評判は発見できませんでした。
一方、ブログやnoteには投資部の評判について書かれた記事が。


どちらも投資部の雰囲気の良さや、実際に稼げるようになった事を評価しており、上々の評判です。
ところが、奇妙なのはこれらの記事が書かれた日付。それぞれ「2024年10月30日」「2024年11月6日」となっています。
一方、投資部の公式サイトのドメイン情報を取得してみると、登録日(Creation Date)が「2024年11月4日」となっています。

つまり、投資部がまだサービス開始していない頃から、上記の2記事は投資部の評判を書いていた事になります。自作自演では……?
実際、上記のブログとnoteは、どちらも1記事しか投稿しておらず、まるで投資部を宣伝するためだけに作られたアカウントのよう。これはもう、ほぼほぼ自演確定ですね(笑)
ちなみに、投資部のX(旧Twitter)とインスタは、それぞれ2024年9月と10月から始めています。もしかすると、サービス開始前の宣伝戦略の1つとして自演記事を書いたのかもしれません。
運営会社は「株式会社Acoco.」
投資部を運営しているのは「株式会社Acoco.」。ずさんな自演を行ったのもきっとこの会社でしょう。

会社名 | 株式会社Acoco. |
所在地 | 東京都渋谷区道玄坂1-22-12 6F |
設立 | 2023年10月6日 |
代表取締役 | 青木友也 |
資本金 | 3,000万円 |
メールアドレス | [email protected] |
電話番号 | 03-6455-2860 |
事業内容 | アパレル事業ウェブマーケティング事業 |
資格 | なし |
株式会社Acoco.は、2023年に設立したアパレルとウェブマーケティング関連事業を行っている企業。この時点でツッコミ所が……
まず、2023年設立の若い会社が、なぜ有名人である林氏と提携して投資関連サービスの運営を行っているのか。ちょっと違和感がありますよね。
しかも、Acoco.の提供しているサービスは、お世辞にも品質が高いとは思えません。
例えば、公式ホームページにあった「ハイパーカジュアルアプリ」の実績を見ると、Youtubeで見かける広告詐欺ゲームのような開発画面が……

よく分からないのは、この「ハイパーカジュアルアプリ(笑)」をウェブマーケティング会社兼アパレル会社が作成していること。一体どんな会社なんだよ……
さらに奇妙なのは、どうも林氏自身がAcoco.のサポート業務を高く評価。投資部のコンテンツは紹介しないくせに、裏方のどうでもいいサポートスタッフの紹介に1ページ丸々使っているのです。
サポート品質を体感してもらうために、わざわざ音声通話の録音を公開するほどの熱の入れよう。いや、そんなのいいからコンテンツを紹介してくださいよ……
ちなみにこの音声記録、聞いてみると分かりますが台本を読んでいるような会話で、生の記録か疑わしい代物。しかも「加藤」だの「浜田」だの、顧客の名前にピー音も入れずに公開しており、許可を取っているとはいえコンプライアンス的にも怪しい感じです。
こんなでたらめな会社になぜ林氏が関わっているのか……彼は、仮にもアブダビ投資庁でファンドマネジャーを務めた人物。投資業界で有名な人物が、こんな企業とタッグを組んで怪しいサービスに関わっているのは違和感があります。
しかも、林氏は「投資部が実際に存在」している事をなぜか強調しています。

このように強調されると、かえって怪しく思うのが人情です。もしかして、投資部が上手くいかなければ問題が出るほど金に困っているのでは?そんな下衆の勘繰りも浮かんできます。
こうなってくると、林氏自身の経歴や実力も疑わしくなりますね。もしも本当に実力ある投資家なのであれば、このような怪しい企業とは関わらず、まともな活動を行ってもらいたい所です。
費用は公式サイトに記載ナシ……
投資部の参加費用に関しては、公式サイトに一切言及がありません。
特商法表示には「お支払方法」という項目があるので、有料サービスはあるでしょうが……

ネット上では、投資部の有料コンテンツが「27万5,000円」という情報が既に広まっています。ただし、何ヶ月利用できるか、どのようなコンテンツがあるかなど具体的な情報は分かっていません。
もしも年間27万5,000円であれば、まぁ、妥当という印象。林氏が直々に講師を務めるのであれば、むしろ安く感じる人がいてもおかしくはないかもしれません。
ただ、既に紹介した通り、運営企業の株式会社Acoco.はかなりでたらめで、まともなサービスを受けられるかは怪しいところ。関わらない方が賢明でしょう。
実績は”自作自演”の可能性があり信用できない
投資部の実績について、実際に利用したとされる人のブログによると、受講して4ヶ月後には給料を超える額の利益を得られるようになったとのこと。

ただ、既に紹介した通り、この記事は投資部の公式サイトが制作される以前に書かれたもので、自演の可能性があります。信用できません。
他には、公式サイトで「生徒の声」として含み益が増えているとか、利益が100万に届きそうとか、景気の良い報告が紹介されていますが、さすがに信じられませんね。
利用方法・退会方法
投資部の利用方法は、公式サイトからメールを送り動画講座を見ればOK。

講座を見終わった後に入会案内が来るので、それに従って手続きしてください。もっとも、おすすめはしませんが……
退会方法は、プライバシーポリシーに「個人情報を削除できる」という記載があるくらいで、当然のごとく分かりません。一度ハマったら抜け出せない可能性があるため、十分注意してください。
林則行の投資部の提供コンテンツ
といっても、分かっているのは無料コンテンツのみ。有料コンテンツは全くの謎に包まれています。
で、無料コンテンツは「伝説のファンドマネージャーの知るだけで勝てる株式投資番組」と題する、林則行氏自らが講師を務める動画講座です。

一見面白そうな講座ですが、気になるのは「裏情報」という言葉。ファンドマネジャーとして結果を出せたのは裏情報を握っていたからで、それを番組内で公開するとのこと。
いわば目玉商品のように”裏情報公開”という事を前面に出しているわけですが、はっきり言ってセンスのないマーケティング。というのも、裏情報を握っているのは林氏だけであって、我々一般人は彼を通じてしかアクセスできないからです。
もし投資部が裏情報に頼った投資手法を教えているのであれば、再現性のあるトレードを行うには相場の状況に応じて新しい裏情報を常に受け取らねばならず、投資部に入り続けなくてはなりません。私たちは永遠に投資部の金づるとならざるを得ないでしょう。
一方、もしもそれが再現性のある投資手法であれば、それは裏情報ではなく「㊙手法」です。それをあえて「裏情報」と呼んでいるのなら、DSの存在を信じる陰謀論に染まったおっさんを釣ろうとしているいやらしいマーケティングとしか思えません。
いずれにしても、裏情報という言葉で客を釣ろうとする意図が透けて見えて、不信感を与える宣伝です。まるで「林氏が裏情報が無ければ投資で勝てない実力不足の人物」という印象を与えるという意味でも、センスが無いと言って良いでしょう。
で、肝心の講座内容は、一部紹介しているものをまとめると以下の通り。
- 世界三大投資家ジム・ロジャーズの自宅の屋根上で教えてもらった裏情報とは?
- ピーター・リンチが教えてくれた投資のチャンス「〇〇の規制変更」とは?
- 「金の価格は2倍になる」が的中した裏側とは…?
- 「グローバル企業の〇〇に注目する」が投資のチャンスになる理由とは?
- 効率的にゲームチェンジ銘柄を見つけている具体的な手順とは?
- 林が大暴落の情報を掴んだ裏側とは?
- 下げ相場で暴落銘柄を空売りして大きな利益を出す投資手法とは?
- 友人ラリー・ウィリアムズがこっそり教えてくれた投資手法がスゴすぎた話
林氏はジム・ロジャーズやピーター・リンチとも関わりのあった人物で、確かに彼の逸話は期待ができます。が、「裏情報」を前面に出すような広告ですので、本当に役立つ情報か怪しまざるを得ませんね。
とはいえ、無料ではあるので興味を覚えた人は捨てアドを使って動画を見ても良いかもしれません。ただし、高額スクールへの勧誘は来るので注意してください。
林則行とは?WIKI風に紹介
林則行氏について、どのような人物か解説します。彼の簡単なプロフィールは以下の通り。

名前 | 林則行 |
生年月日 | 1959年 |
出身 | 東京 |
年齢 | 66歳 |
学歴 | 早稲田大学卒業 |
職業 | アシュク・インベストメント代表 |
肩書 | 伝説のファンドマネジャー |
肩書 | 早稲田大学卒業後、国内会社で資産運用を担当 28歳の時、コロンビア大学へ留学 米国でフィデリティやバークレイズでファンドマネジャーを務める アブダビ投資庁にスカウトされファンドマネジャーとして活躍 |
林則行氏は1959年生まれ、元アブダビ投資庁のファンドマネジャー。アブダビ投資庁はアラブ首長国連邦の政府系ファンドで、運用資産は1兆ドルを超えると言われる巨大なファンドです。
そのような世界の最前線で活躍できたのは、ジム・ロジャーズやピーター・リンチなど世界有数の投資家との交流によって培った投資力の賜物でしょう。「本当に交流があったのか?」と疑う向きもありますが、最近林氏とジム・ロジャーズ氏との対談も行われており事実です。
世界三大投資家ジム・ロジャーズも絶賛 林則行が語る世界最高峰の投資ノウハウ https://t.co/Xjujba4YFm pic.twitter.com/bueacZC5Cx
— PR TIMESライフスタイル (@PRTIMES_LIFE) January 19, 2025
他にもアブダビ投資庁時代の写真なども残っており、経歴に偽りは無いように思われます。
だからこそ、投資部のようなサービスに関わっているのは経歴に傷を付けるもののように思われるのですが……
評判は好意的なものが多い
林則之氏の評判は、悪いものはあまり見かけません。
Amazonの本のレビューでいくつか見かけるくらいです。
「個人や投資家では難しい手法」「金を買え一辺倒だ」といった批判がありますが、書籍の質自体は評価されている印象。投資の中級・上級者が意見の違いから批判をしているという感じで、くそみそに貶しているわけではありません。
実際、SNSで見られる林氏の評判は好意的なものが多くなっています。
たぶん1番読み返した投資本は
— つけひも (@zawawayuzawa) September 19, 2023
林則行氏の株の公式。
今年は林則行さんが予測していた展開になっているな。
— OTS (@newcity2202) April 2, 2025
「株の公式」著者の林則行氏
— つけひも (@zawawayuzawa) October 18, 2024
10年前からずっと金を推してたね
書籍に対する高評価や予想が当たるといった評判まで、多くの人が彼を評価しています。
こういった評判からも、林氏の実力は窺われます。
経歴は有名投資家との交流が多い華々しいもの
林氏は1959年東京生まれで、早稲田大学出身。卒業後は国内の企業で資産運用を担当します。高校生の頃から会社四季報を読むほど投資が好きで、新卒から実力をある程度認められていたようです。
28歳の頃、個人でも行っていた投資で稼いだお金を使いアメリカのコロンビア大学ビジネススクールに留学。ここで世界三大投資家の一人「ジム・ロジャーズ」氏と出会い、師事します。

その後、世界有数の投資顧問会社「フィデリティ」に入社し、ここでは”テンバガー”という言葉の生みの親「ピーター・リンチ」氏が同僚だったとのこと。このような世界トップレベルの投資家との交流を通じて実力を付けていきます。
その後、バークレイズやJPモルガンチェースなどの金融機関でファンドマネジャーを務めた後、アラブ首長国連邦の投資系ファンド「アブダビ投資庁」にヘッドハンティングされます。
アブダビ投資庁で6年間勤めた後、林氏はファンドマネジャーを引退し日本に帰国。引退後は執筆活動や講演活動を通じてファンドマネジャー時代に培った技術を一般の投資家へ継承しています。
林氏にとっては、投資部も啓蒙活動の一環として関わっているのでしょう。また、はた目にはどう見てもでたらめとしか思えない株式会社Acoco.の活動も、未来を担う若者という事で本気で期待を持ってタッグを組んでいるのかもしれません。
まぁ、好きにすればいいんですけどね……少なくとも投資部では林氏が直々に教えている事は確かなようなので、運営体制はでたらめですが学べる事はあるでしょう。おすすめはしませんが、27万5,000円をエイっと手放せる人なら受けてみても良いかもしれません。
投資手法は「ビッグ・チェンジを見つける」
林則行氏の投資手法で有名なのが「ビッグ・チェンジを見つける」というもの。これはジム・ロジャーズ氏から教えて貰ったそうです。
些細な変化では無く、市場の大きな変化を捉え、そこに絞って投資をする、というのが基本的な戦略。ビッグ・チェンジを捉えれば、株価が急騰する大化け株を簡単に見つけられると言います。
大化け株を見抜く指標として使われるのが「利益20%増」や「新高値の更新」など。ファンダメンタルズだけで無くテクニカルも参照しながら、ビッグ・チェンジを捉える手法が『伝説のファンドマネージャーが実践する 株の絶対法則』で解説されています。
実績として具体的な数字は公開していない
林則行氏は実績について、具体的な数字を公表していません。ただ、海外の金融機関やアブダビ投資庁でファンドマネジャーとして活躍していた実績があるので、実力は確かなものでしょう。
もっとも、具体的な数字で実績を公表していない事を怪しむ人はいるようです。
アブダビ投資庁の元ファンドマネージャーという肩書は凄く聞こえるが、投資成績は全く公開していないから本当に実力あるの?というのが本音かな。
林則行の実績に対する口コミ
著作などによって既に評価が固まっている人物とはいえ、過去の実績だけで評価されている事に疑問を感じる人はいるでしょう。
特に、投資部のような怪しいビジネスに関わり始めている事は、彼の信頼性を損なっているかもしれません。
SNS・出版本
最後に、林則行氏の関わるSNSや出版本を紹介します。
SNSは以下の通り。
SNS | URL |
---|---|
X(旧Twitter) 「林則行の投資部」 | https://x.com/hayashi_toshibu |
Instagram 「林則行の投資部」 | https://www.instagram.com/hayashi_toshibu/ |
どちらも投資に関する知識や情報を定期的に更新していますが、これらが投資部のサービス開始前後に開設されたアカウントというのは既に述べた通り。林則之氏自身がポストを書いているかも怪しいです。
出版本は英会話に関するものや、ジム・ロジャーズ氏など海外投資家の翻訳本など多岐に渡っているのですが、投資に関する単著に絞ると以下の通り。
タイトル | 定価 |
---|---|
伝説のファンドマネージャーが教える株の公式 | 1,760円 |
伝説のファンドマネージャーが実践する株の絶対法則 | 1,760円 |
金はこれから2倍になる | 1,716円 |
伝説のファンドマネジャーが教える 図解 株の暴落サインを見抜く方法 | 1,870円 |
その他共著としては『投資初心者の大学生が伝説のファンドマネジャーに聞く』や『高配当株と円安株で月15万円稼ぐ! 億り人がやっている(秘)投資法』などがあります。
ちなみに、『投資初心者の大学生が伝説のファンドマネジャーに聞く』の共著者の佐藤隆太郎氏は、「林則之さんファンクラブ」というサイトの管理人を担当しています。

華々しい経歴を持ち、著作家としても活躍している林則之氏ですが、最近始めた投資部の活動は怪しい所があるのも事実。
「林さんに直接教えてもらいたい!」というよほどのファンでない限り、書籍を読むくらいに止めておいた方が良いでしょう。