平均月利62%の完全自動のAIトレードシステムという、いかにも怪しい投資案件の「i-VISION」。スマホアプリのスタートボタンを押すだけで利益が出るなどと謳っています。
どう見ても関わってはいけない案件ですが、有名投資家の「片山晃」氏が開発に関わっているとされており、信用している人もいるかもしれません。
しかし、調査してみると彼は単なる同姓同名の人物。それどころか、有名人である片山氏の名前を故意に利用している可能性すらあることが分かりました。
今回はi-VISIONの概要や運営会社などを紹介し、怪しい点を調査。詐欺か解説します。
【結論】片山晃のi-VISION(アイビジョン)は詐欺?
結論から言うと、片山晃氏が開発を務めるi-VISIONはかなり危険な投資案件です。投資詐欺の可能性もゼロではないため、関わらない方が良いでしょう。
危険な投資案件だと考えられる理由は、以下の3つ。
- 高すぎる利率
- ツールの導入に高額料金が掛かる
- 販売会社が金融庁に登録していない
i-VISIONは「平均月利62%」というあり得ない高利回りを提示しています。年利に直せば1年で資産が6倍以上になる計算で、まともな投資案件では到底考えられない数字です。
また、i-VISIONを導入するには30万円以上の料金が掛かるのですが、その事を広告ページで記載していません。高額な支払いを予め伝えず隠している時点で、怪しい投資案件だと判断して良いでしょう。
何より問題なのは、販売会社「株式会社ゴールド・ジパング倶楽部」は金融商品取引業者として登録を受けていません。
自動売買ツールの販売やレンタルは投資助言・代理業に当たる、と財務省で注意喚起が為されています。

無登録で自動売買ツールを販売している時点で、i-VISIONが悪質な投資案件であることは間違いありません。
また、i-VISIONは「片山晃」氏が開発に携わっていると言いますが、画像を確認する限り有名投資家の片山氏とは別人です。


どちらもメガネを掛けているため似ていなくも無いですが、よくよく見ると目つき・顔立ち・骨格が明らかに違います。別人である事は間違いないでしょう。
i-VISIONの開発者が本当に「片山晃」という同姓同名の人物である可能性はゼロではありませんが、十中八九は名前を騙っているだけ。
有名人になりすます手法は、最近の投資詐欺によくある手法だと警察庁で注意喚起が為されています。

このように、i-VISIONは広告や販売会社に不審な点が多い上に、有名人になりすましている可能性も…
怪しい点が非常に多い投資案件なので、利用しないことをおすすめします。
片山晃の「i-VISION(アイビジョン)」の概要や料金など

「i-VISION」は片山晃氏が開発したAIによるFXの自動売買システム。
その特徴を簡単にまとめると以下の通り。
- 大手証券会社公認の完全自動AIトレードシステム
- 毎日3万円を基準に利益追及
- 平均月利62%
- ユーザー平均利益1,011万円
- 世界初の「加速学習」を搭載
- スマホにアプリをインストールして利用
毎日3万円の利益、平均利益1,011万円、と聞こえの良いことを書いてますが、本当かどうかは怪しいもの。そもそも月利62%という法外な数値を提示している時点で信用することはできません。
また、「AIの加速学習」「飽和リスクゼロ」「アセットコントロール」などなど、広告には専門用語が散りばめられており、「何となく凄そう!」という印象作りをしている点も悪質。そのくせ、何の金融商品に投資するかは広告では定かではありません。
「大手証券会社公認」というのもまずあり得ないでしょう。本当にi-VISIONを公認している証券会社があるのなら、宣伝のために名前を出さないはずがありません。
さらに、このi-VISIONを利用するには「i-VISIONゴールドメンバー」というコミュニティに入る必要がありますが、その会員費が「32万8,000円」とかなり高額。にも関わらず、広告ページや特商法表示には一切記載がありません。
広告には”完全無料”という文字を強調したメールアドレスの入力フォームのみを置いており、一見「メール登録だけで利用できるのかな?」と誤解を生む点も非常に悪質です。

無料でLINEに登録させた後に動画を視聴させ、教育した所で高額コミュニティに案内するという、典型的な悪徳商法の手口です。
動画だけなら無料ですが、別に投資のノウハウを得られるわけでもなく、商品紹介が延々続くだけなので見る価値はないでしょう。
このように、i-VISIONは「問題しかないサービス」と言って過言ではありません。利用するべきではないでしょう。
評判はなぜか2021年頃からある
i-VISIONは2025年1月15日スタートしたばかりのサービスで、ネット上の評判は全く見つかりませんでした。
公式サイトでは以下の画像のように「大手メディアに記事が掲載されている」と言いますが、調べた限りどれもプレスリリースの転載記事です。

全然評判になっていないi-VISIONですが、X(旧Twitter)で検索してみると、なぜか2021年頃に紹介投稿が見つかりました。
2021年頃のi-VISIONは詳細不明ですが、もしかすると片山晃氏のi-VISIONは過去に失敗した投資案件の焼き直しなのかもしれません。あるいはこれも名前を盗んでいるとか……?
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いずれにしても、全く同じ名称のAI自動投資サービスが過去にあったという事実には、かなり不信感を覚えます。
i-VISIONがまともなサービスでないことの証左でしょう。
実績は信用できない
i-VISIONの実績はいくつか載っていますが、あまり信用はできません。
例えば、33歳会社員の佐藤浩紀さんは約1年で30万円が「1,337万円」になったと言います。なんと約45倍!
また、52歳薬剤師の三輪佳子さんは、半年で50万円が「591万円」になったそうです。
これが本当であれば凄いんですけどねぇ(笑)
自動売買システムだけでこんなめちゃくちゃな利益を得ることはまず不可能なので、皆さんは大袈裟な数字に騙されないようにしてください。
運営会社がまともじゃない
i-VISIONを運営しているのは「株式会社ゴールド・ジパング倶楽部」という会社。詳細は以下の通り。
会社名 | 株式会社ゴールド・ジパング倶楽部 |
本社所在地 | 〒1500012 東京都渋谷区広尾1-1-31広尾タワー5F |
設立 | 2014年9月3日 |
代表取締役 | 宮沢 優子 |
資本金 | 不明 |
電話番号 | 050-6867-6629 |
メールアドレス | [email protected] |
事業内容 | 広告代理 セールス代行 WEB制作 WEBプロモーション代行 各種コンサルティング 化粧品販売 |
資格 | なし |
2014年設立ということで、怪しい投資案件を販売している割には長続きしている印象。
ところが、ホームページを開設したのは「2024年9月」とつい最近です。

「WEB制作」や「WEBプロモーション代行」を行っている会社が、設立10年目でホームページを作成している時点で、どう考えてもまともな会社ではありません。
ホームページも何のコンテンツもない体裁だけのサイトです。
さらに、ゴールド・ジパング倶楽部は金融商品取引業者の登録を受けていません。資格が無いまま自動売買システムを販売しているわけで、ほぼほぼアウトでしょう。
このように、i-VISIONは運営会社も相当怪しく、信用できるサービスで無い事が明らかです。
i-VISIONの利用方法
全くおすすめできないi-VISIONですが、一応利用方法を紹介します。
まずは、広告サイトからメールアドレスを登録した後、メールからLINEに登録します。

LINEに登録したらi-VISIONの紹介動画が3本送られてくるのでそれを閲覧。その後に32万8,000円のコミュニティへの参加案内が送られてくるので、案内に従って手続きしてください。
……とは言え、i-VISIONは明らかに危険な投資案件で、詐欺の可能性すら考えられます。有料のコミュニティには参加しないように!
片山晃は何者?評判や投資実績など

i-VISIONの開発者とされる「片山晃」氏は、実績や経歴などがほとんど不明な人物です。
有名投資家の片山晃氏と同姓同名である所を見ると、宣伝目的の仮名である可能性すら考えられます。
ここでは、i-VISIONの開発者である片山晃氏について分かっている情報をまとめます。
評判や実績は全く見つからない
SNSや口コミサイトなどを探しても、片山晃氏に関する評判は全く見つかりません。
投資業界で活躍した人物という噂も無く、ネット上で見つかる情報はi-VISIONに関するものだけです。
ちなみに、SNSには有名投資家である片山晃氏の偽アカウントが大量に見つかります。

i-VISIONの開発者を名乗る片山晃氏も、こういったなりすましの一人でしょう。
なお、本物の片山晃氏のアカウントはペンネームの「五月(@hakureifarm)」名義で運営されています。
本人の投稿で「LINEやSNSでの投資勧誘や情報提供は行わない」と注意喚起されており、i-VISIONの開発者は偽物でほぼ確定ですね。
最近またご報告を受けることが増えていますが、五月もしくは片山晃がLINE、X、インスタ、その他SNS等で投資の勧誘や情報提供を行うことは一切ありません。全て投資詐欺なのでご注意ください。
— 五月 (@hakureifarm) December 23, 2024
片山晃氏の実績も全く不明です。投資経験があるのかすら分かりません。
i-VISIONの紹介動画では金融工学のスペシャリストなどと言ってますが、どこの証券会社で働いていたのか、どのような投資実績があるのかは不明。
実績があれば嬉々として紹介するでしょうから、ロクな投資経験も無いと思われます。
投資手法は後出しじゃんけん
片山晃氏自身の投資手法も当然不明。実績すら不明なのだから当然ですね。
ちなみに、i-VISIONの投資手法はAIが市場の値動きを予測するというもので、「後出しじゃんけん」などと呼ばれています。
AIがチャートパターンを学習して、再現性の高い投資行動を行うことを後出しじゃんけんと呼んでいるのでしょうが、本当にそのようなシステムが組み込まれているのかすら怪しいです。
i-VISIONはアプリをインストールするタイプの投資案件ですが、チャート表示や自動売買などはいくらでも偽装が可能。具体的な投資手法やシステムが不明な以上、利用しない方が賢明でしょう。
片山晃の経歴
片山晃氏の経歴について分かっているのは、金融工学のスペシャリストでありクオンツアナリストであるという事くらい。その他、生年月日・出身大学・職務経歴などの情報は一切分かりません。
このような経歴不明の怪しい人物が開発者を名乗るi-VISIONが、「月利62%」という”とてつもない成績”を残せるとは到底思えません。
i-VISIONは十中八九悪質な投資案件であると言って良いでしょう。投資詐欺の可能性も十分考えられるため、決して利用しない事をおすすめします。