奥野一成の投資信託「おおぶね」とは?やばい評判の真相を調査

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おおぶね検証記事

NISAで購入可能なアクティブファンドとして注目されている「おおぶね」シリーズ。有名投資家「奥野一成」氏がファンドマネジャーを務めている事で知られています。

しかし、パフォーマンスがイマイチな事や運用成績表の情報が減らされている事を理由に、ネット上では「やばい」という評判まで…奥野氏もX(旧Twitter)での投稿を減らしており、不信感が高まっています。

果たして奥野氏の投資信託「おおぶね」は買いなのでしょうか?この記事では、おおぶねの評判や奥野氏の経歴などを紹介し、ファンドの特徴と信頼性について解説します。

【結論】奥野一成の「おおぶね」はやばい?

結論から言うと、奥野一成氏の投資信託「おおぶね」は確かにやばいと言われるような側面があります。パフォーマンスはインデックスファンドと比較してそれほど優れているわけでもなく、信託報酬も高いため一見魅力が少ないように思われます。

ただ一方で、おおぶねは下げ局面に強いとも言われており、直近の暴落ではインデックスファンドよりも下げ幅が限定的だった実績があります。また、設定から日も浅いため今後パフォーマンスが良くなる可能性もあるでしょう。

おおぶねは奥野一成氏の投資哲学を基に組まれたファンドなので、彼の考え方に共鳴できる人には向いているかもしれません。アクティブファンドでは珍しくNISAのつみたて投資で購入できるので、気になる人は目論見書をチェックしてみてはいかがでしょうか。

奥野一成の「おおぶね」の概要や手数料など

投資信託「おおぶね」の画像
おおぶね公式サイト

奥野一成氏がファンドマネジャーを務める投資信託「おおぶね」シリーズは、現在以下の3種類を提供しています。

ファンド名称概要
長期厳選投資おおぶね長期投資向けの米国株銘柄
おおぶねグローバル日本、北米、欧州の長期投資向け銘柄
おおぶねJAPAN長期投資向けの日本株銘柄

2017年設定の「長期厳選投資おおぶね」は、長期投資向けに厳選した米国株を運用する投資信託。奥野氏の投資哲学を反映し、徹底した調査によって「構造的に強靭な企業®」をセレクトしています。

おおぶねグローバル」と「おおぶねJAPAN」は、それぞれ世界各国の株式と国内の株式を厳選して運用する投資信託。同様の方針で銘柄を選定しています。

さて、おおぶねシリーズはどれもアクティブファンドとなっており、手数料(信託報酬)は以下のように若干高め。

ファンド名称手数料(信託報酬)
長期厳選投資おおぶね0.99%
おおぶねグローバル0.33%
おおぶねJAPAN0.88%

比較対象として、投資対象地域が近いインデックスファンド(eMaxisシリーズ)の信託報酬は以下の通り。

ファンド名称手数料(信託報酬)
eMaxis Slim 米国株式(S&P500)0.0814%
eMaxis Slim オールカントリー0.05775%
eMaxis Slim 国内株式(日経平均)0.143%

見ての通り、インデックスファンドは手数料が0.1%未満があるほどで、これに比べるとおおぶねシリーズの手数料はかなり高く思えます。

ただ、アクティブファンドとしては手数料が1%を切っているのは比較的安い方。特に「おおぶねグローバル」は信託報酬が0.33%となっており、かなりリーズナブルです。

ここ数年インデックスファンドの成績が非常に良かったため、アクティブファンドは敬遠される傾向にありました。

が、米国の相互関税政策が発表されて以来、世界的に株価が下落しており、インデックスファンドのパフォーマンスは今後下がる恐れがあります。

長期的に経済が停滞するようだと、おおぶねのような安定した運用を行うアクティブファンドの注目が高まるかもしれませんね。

評判はあまり良くない

おおぶねシリーズの評判は、SNS上でそれほど良くはありません。

やはり、インデックスファンドよりもパフォーマンスが優れていない点や、手数料が高い点が批判されています。

その他、分配金を出しているため基準価額が下げられる点も積立投資をしている人には不評の模様

ただ一方で、「安定している」という意見も多く、運用益だけ見て評価するべきではないと考える人もいます。

アクティブファンドにはインデックスファンドよりも高いパフォーマンスを期待しがちですが、おおぶねは安定性に強みのある投資信託です。

長期的に安定したパフォーマンスを得たい人には向いているかもしれませんね。

運用実績や利回りは”安定”重視

おおぶねシリーズの過去3年間の運用実績(年間収益率)は以下の通り。

ファンド名称2022年2023年2024年
長期厳選投資おおぶね– 2.2%20.8%25.8%
おおぶねグローバル– 10.3%27.4%9.5%
おおぶねJAPAN– 6.8%19.2%12.8%

比較対象として、代表的なインデックスファンドであるeMaxis Slimの運用実績を示すと以下の通り。

ファンド名称2022年2023年2024年
eMaxis Slim 米国株式(S&P500)– 6.1%34.6%32.9%
eMaxis Slim オールカントリー– 5.6%30.4%27.4%
eMaxis Slim 国内株式(日経平均)– 7.5%30.8%18.5%

2023年や2024年のパフォーマンスだけを比較すると、インデックスファンドであるeMaxis Slimの方が優れた実績。

ただ一方で、2022年のパフォーマンスを比較すると「長期厳選投資おおぶね」と「おおぶねJAPAN」はインデックスファンドよりも損失が抑えられています

特に「長期厳選投資おおぶね」は、2022年のパフォーマンスが- 2.2%と安定しており、下げ相場に強い投資信託

この傾向は直近の下げ相場でも表れており、2025年4月7日の前日比率を見ると以下の通りです。

ファンド名称前日比率(2025/04/07)
長期厳選投資おおぶね– 5.12%
eMaxis Slim 米国株式(S&P500)– 6.13%
おおぶねグローバル– 5.11%
eMaxis Slim オールカントリー– 5.79%
おおぶねJAPAN– 6.59%
eMaxis Slim 国内株式(日経平均)– 7.85%

相互関税が発表された後の連日の下げ相場の中にあっても、おおぶねはインデックスファンドよりも下げ幅を抑えています。

こういったデータを見ても、おおぶねが安定性重視の投資信託であることが窺えますね。

運営会社が「巨額損失問題」を起こした

おおぶねの運用会社は「農林中金バリューインベストメンツ株式会社(NVIC)

基本情報は以下の通り。

会社名農林中金バリューインベストメンツ株式会社
本社所在地東京都千代田区内幸町2-2-3
日比谷国際ビル14階
設立2014年10月2日
代表取締役酒見直秀
資本金4.4億円
電話番号03-3580-2050
メールアドレス不明
事業内容第二種金融商品取引業
投資運用業
投資助言業
資格関東財務局⻑(⾦商)第2811号

農林中金バリューインベストメンツは農林中央金庫の子会社で、投資助言に特化した企業。アセットマネジメント事業を中心として、企業の成長支援・金融機関の人材育成支援・資産形成支援など多様な事業を行っています。

いわゆる運用会社ですが、最近話題となったのが親会社である「農林中央金庫」の巨額損失問題。2025年3月期の半期決算では1兆4000億円程度の損失を出してしまいました。

原因は外国債券。農林中央金庫が保有する金融資産は外国債券が大きな割合を占めていました。ところが、インフレ対策に諸外国が金利を上げた影響で債券価格は下落。巨額の含み損を抱えてしまいます。

この債券を売却したことによる損失が、1兆4,000億という巨額の赤字の原因です。

このように農林中央金庫は問題含みですが、子会社である農林中金バリューインベストメンツは2024年3月期の当期純利益が8億9,542万円の黒字。おおぶねもアクティブファンドとしては人気が高く、堅実な経営を行っています。

おおぶねの利用方法

おおぶねシリーズは以下の証券会社で販売しています。

証券会社によっては、NISAやiDeCoでの購入にも対応。

  • 株式会社SBI証券
  • 楽天証券株式会社
  • SBI証券 iDeCo
  • 楽天証券 iDeCo
  • マネックス証券
  • 松井証券
  • 岡三証券
  • JAバンク
  • JAバンクのiDeCo
  • CONNECT
NISAiDeCo
長期厳選投資おおぶねつみたて投資枠成長投資枠あり
おおぶねグローバル成長投資枠なし
おおぶねJAPAN成長投資枠なし

おおぶねシリーズはすべて成長投資枠で購入可能。

さらに、長期厳選投資おおぶねはつみたて投資枠やiDeCoでの購入もできます。

【評価】おおぶねのまとめ

最後に改めておおぶねシリーズのファンド一覧をまとめます。

ファンド名称概要
長期厳選投資おおぶね長期投資向けの米国株銘柄
おおぶねグローバル日本、北米、欧州の長期投資向け銘柄
おおぶねJAPAN長期投資向けの日本株銘柄

おおぶねシリーズはNISAで購入できる投資信託として一定の人気があります。

ここ数年はインデックスファンドと比較してパフォーマンスが悪く評判を落としていましたが、下げ相場に強く長期投資向けのファンドであるため今後評価が上がる可能性も。

「やばい」という評判も多いおおぶねシリーズですが、今後世界的に下げ相場が続くと評価が一変するかもしれませんね。

奥野一成は何者?年収や年齢など

投資信託「おおぶね」シリーズのファンドマネジャーを担当している奥野一成氏ですが、一体どのような人物なのでしょうか?

彼のプロフィールを簡単にまとめると以下の通り。

奥野一成の公式X
氏名奥野一成
年齢不明
※推測では55歳前後
職業農林中金バリューインベストメンツ株式会社
常務取締役・最高投資責任者 (CIO)
学歴京都大学法学部卒業
ロンドンビジネススクール・ファイナンス学修士
肩書投資信託「おおぶね」シリーズファンドマネジャー
経歴日本長期信用銀行
UBS証券
著書『ビジネスエリートになるための 教養としての投資』
『15歳から学ぶお金の教養』
『京都大学の経営学講義 いま日本を代表する経営者が考えていること』ほか

奥野氏はプロフィールを多く公開しておらず、年齢・生年月日・出身地等は不明。ただ、1992年に京都大学法学部を卒業し就職している事から逆算して、年齢は55歳前後と思われます。

個人の年収や資産等も公開しておらず不明。ただし、ファンドでの運用資産は4,000億円を超えると言われています。

バフェット流の独自の投資哲学を持つ投資家として知られており、著書の『ビジネスエリートになるための 教養としての投資』は発売一ヵ月で3万部を突破したベストセラー。Xでの情報発信も行っており、多くの投資家から注目を集めています。

奥野一成の評判は基本的に良好

奥野一成氏の評判は、おおぶねシリーズに関連した悪評が見つかります。

2025年4月8日現在奥野氏のXは更新が止まっており、さらに疑惑を集めている事態に。

ただ、奥野氏の評判は基本的には良好で、彼の著書や考え方を評価する口コミも多く見つかりました。

おおぶねのパフォーマンスは決して悪くないですが、運用報告書の項目を削除するなど不信感を招く動きをしているのも事実。成績が良ければ文句も出ないのでしょうが……。

おおぶねは長期投資向けのファンドなので、今後の推移を注視したうえで冷静に評価したい所ですね。

ファンドマネージャーとして一定の実績を上げている

奥野一成氏がファンドマネジャーを務める「おおぶね」シリーズは、以下の通り多くの優れた実績を持っています。

  • R&Iファンド大賞 2021受賞 投資信託部門/北米株式コアで「最優秀ファンド賞」
  • R&Iファンド大賞 2022受賞 投資信託部門/北米株式コアで「優秀ファンド賞」
  • SBI証券の厳選アクティブファンドセレクション「SBIプレミアムチョイス」への選定
  • 楽天証券のファンドアナリスト厳選「ファンドセレクション」に選出
  • 「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2019」において12位に選定
  • 「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2020」において10位に選定。アクティブファンドカテゴリー第2位に選定
  • 「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2021」において15位に選定。アクティブファンドカテゴリー第3位に選定
  • 「日経トレンディ投信大賞 2021」ミドルリスクミドルリターン部門 大賞受賞

特徴的なのは「アクティブファンド」として大きな評価を得ている点。例えば、「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2020」ではアクティブファンドカテゴリーで2位に選定されており、高い評価を得ていることが分かります。

ただ、「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2024」ではアクティブファンドカテゴリーで7位に後退しており、以前に比べると評価を落としているようではあります。

ちなみに、「長期厳選投資おおぶね」の運用状況は以下の画像の通りで、設定来騰落率184.80%という実績。

長期厳選投資おおぶねの運用状況
長期厳選投資おおぶねの運用状況

堅実なパフォーマンスを上げていますが、後に見る通りインデックスファンドよりも成績自体は悪く、評価は分かれています

とはいえ、ファンドマネジャーとして一定の実績を持っている事は確かです。

投資手法は「買った株は売らない」

奥野一成氏の投資手法で有名なのが、「買った株は売らない」というもの。

これは損切をしないという意味ではなく、今後数年に渡って伸び続ける企業の株を買うということです。売る必要が無いくらい堅実に成長する銘柄を選ぶために、徹底した調査を行います。

銘柄選びの核となる考え方が、農林中金バリューインベストメンツの提唱する「構造的に強靭な企業®」を選ぶというもの。以下の条件を満たした企業に投資することで安定的な資産運用を行います。

  • 付加価値が高い
  • 競合優位性がある
  • 長期的な市場拡大が期待できる

この条件を満たす優れた企業の「オーナー」になる事で、長期的に利益を得続けるというスタイル。

「おおぶね」シリーズもこの考え方を元に銘柄を選定しており、徹底した調査によって厳選した企業へ投資し長期的な成長を目指します。

京都大学卒業後の経歴

ここでは、奥野一成氏の経歴について解説します。

奥野氏の大学以前の経歴は分かっていません。1992年には京都大学法学部を卒業、日本長期信用銀行(SBI新生銀行の前身)に入社します。

その後長銀証券、UBS証券を経て2003年に農林中央金庫に入庫。2007年から機関投資家向けの長期厳選投資ファンドの運用を始め、4,000億円もの資産を運用していたと言います。

2014年には、農林中金バリューインベストメンツ株式会社の常務取締役兼最高投資責任者(CIO)に就任。現在に至ります。

2015年の奥野一成
2015年の奥野一成

ちなみに、奥野氏はロンドンビジネススクール・ファイナンス学修士の資格も保有していますが、長銀時代に留学して得たものと思われます。

2017年に投資信託「長期厳選投資おおぶね」の提供を開始。2019年には「おおぶねJAPAN」、2020年には「おおぶねグローバル」を開始し、ファンドマネジャーを務めています。

本・メディア出演・SNSなど

ここでは、奥野一成氏の出版した本・メディア出演・SNSの情報について紹介します。

書名価格
ビジネスエリートになるための 教養としての投資1,650円
ビジネスエリートになるための 投資家の思考法1,650円
15歳から学ぶお金の教養1,650円
京都大学の経営学講義1,650円
京都大学の経営学講義Ⅱ1,650円
京都大学の経営学講義Ⅲ1,650円
京都大学の経営学講義Ⅳ1,650円
奥野一成の書籍

メディア出演は以下の通り。

  • 日経モーニングプラス
  • 賢者の選択
  • 朝エクスプレス
  • モーサテプレミアムセミナー
  • 読売オンライン 他多数

奥野氏が運用・出演しているSNSは以下の通り。

  • X(旧Twitter):https://x.com/okunokazushige
  • Youtube(PIVOT):https://www.youtube.com/@pivot00/

奥野氏の投資に対する考え方を知るには、書籍から入るのが一番簡単でしょう。

ビジネスエリートになるための 教養としての投資』などはベストセラーにもなった本でおすすめです。

公式サイトを見る

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