【目次】
豊富な機能を備えたチャートソフトとして25年以上続いている「株の達人」。現在も細かなアップデートを繰り返しながら多くの投資家に利用されています。
しかし、株の達人は「もはや時代遅れだ」という評判も。無料で使えるものも含めて様々なチャートソフトがリリースされている昨今、株の達人の優位性は失われつつあるのかもしれません。
この記事では、株の達人の基本機能・批判点・会員サイト限定コンテンツなどについて紹介。現在も使えるソフトか検証します。
【結論】株の達人は古い?
結論から言うと、株の達人は確かにチャートソフトとして古くなりつつあります。というのも、株の達人で使える機能は無料ツールで賄えるものが多いからです。
例えば、チャート機能&テクニカル分析機能は無料で使える「Trading View」や証券会社のトレードツールで代用可能。Trading Viewは有料版も株の達人より安くなっています。
また、スクリーニング機能も証券会社で高機能なものが無料で利用可能。その他、財務データなども証券会社に口座を開けば四季報のものが無料で付いてくる時代です。
このように、無料ツールで賄える機能が多いことを考えると、わざわざ株の達人を購入する必要はそれほどないでしょう。スマホアプリもなくPCのみですし、使い勝手も悪いです。
ただし、チャートやスクリーニングの細かい設定は無料ツールでは限界があるし、デイトレ向けのリアルタイムスクリーニング機能などは株の達人のような有料ツールならではの機能です。
そのため、高機能なツールで細かい分析を行いたい投資上級者であれば、株の達人を使う価値はあるかもしれません。一方、投資を始めたばかりの初心者が背伸びして使う必要はないでしょう。
株の達人とは?
株の達人の基本機能・料金・評判などについて見ていきます。
株の達人の基本機能
株の達人はテクニカル分析に特化した株分析&チャートソフト。
細かな設定ができるスクリーニング機能・チャート機能・売買タイミングが一目でわかる「転換足」という独自チャートなど、様々な機能を備えています。
株の達人の豊富な機能を簡単にまとめると以下の通り。
機能 | 特徴 |
---|---|
チャート機能 | 70種類以上の指標を組み合わせ可能 |
銘柄選択機能(スクリーニング) | テクニカル指標だけでなくファンダメンタル指標やローソク足の足型からスクリーニング可能 |
テーマ別分類機能(簡単な銘柄選び) | 有望銘柄、空売り参考銘柄、スイング銘柄などのテーマに沿った銘柄を探せる |
マルチチャート機能 | 8分割チャートで複数の時間足での分析が可能 |
おまかせ売買ロボ | 設定したテクニカル指標の条件に合わせて売買サインをチャート上に表示する機能 |
財務・業績データ | ファンダメンタルズ分析に利用可能 |
デイトレウォッチャー(無料ソフト) | デイトレ買い、デイトレ空売り、スイング買い、スイング空売りに適した銘柄をリアルタイムでスクリーニングするソフト |
テーマウォッチャー(無料ソフト) | 毎日更新される人気のテーマTOP30の該当銘柄をリアルタイムで一覧表示させるソフト |
目玉は70種類のテクニカル指標を利用できるチャート機能。転換足が使えるほか、8分割のマルチチャートでマルチフレーム分析も可能です。
また、スクリーニング機能はテクニカル指標とファンダメンタルズ指標を組み合わせて銘柄抽出可能。自分で設定しなくても株の達人が用意したテーマから簡単に絞り込むこともできます。
その他、「デイトレウォッチャー」や「テーマウォッチャー」といったソフトも無料で利用可能。非常に多機能なチャートソフトで、使いこなすにはある程度相場の知識が不可欠となるでしょう。
評判は現在ほぼ無い
株の達人の評判は、現在ほとんど見かけません。チャートソフトとしては旬を過ぎていることが窺われます。
3年以上前の口コミの時点で、「価格が高い」「使っても勝てない」「時代遅れ」といった口コミがSNSや当サイトに書き込まれています。
今までは株の達人というチャートソフトを月額9900円で使ってたが、トレーディングビューというソフトだと月額3000円程度で同じような機能を使えそうなので、そちらに鞍替えしようと思う。月7000円の節約は大きすぎる。設定もなんとかなりそうだ。
— 有限会社グリードレス (@greedless225) January 29, 2022
2021年10月12日
売買シグナルは全くアテにならないのでやめておいた方が良いと思います。痛い目を見ました。自分で判断したほうが負けても納得できる分マシです!
2021年10月05日
まあデータを取るのには便利だと思う。でも利益に繋がるかと言われたら結構微妙なところでしょ。AIでビッグデータを分析するのが今は一番堅いんじゃないの。
投資の達人の過去の評判
実際、価格は高いし、時代遅れではあるし、オリジナルチャート「転換足」もあまり使えないと言われています。
無料で使えるツールが溢れている昨今、わざわざ高額な株の達人を使っているのは少数派でしょう。
ただ、「昔から使っている」という人には好評な模様。


「慣れてしまった」というのもあるでしょうが、やはり機能が豊富な点が評価されているようです。
自分で色々分析しながら投資判断をしたい人には使いやすいツールとなるでしょう。
提供会社は「株式会社ストック・データバンク新宿事業所」
株の達人を提供しているのは「株式会社ストック・データバンク新宿事業所」
会社名 | 株式会社ストック・データバンク新宿事業所 |
所在地 | 東京都新宿区高田馬場2-14-2 新陽ビル8F |
設立 | 2015年10月5日 |
代表取締役 | 伊藤正之 |
電話番号 | 03-3204-3727 |
メールアドレス | [email protected] |
資本金 | 1000万円 |
事業内容 | ソフトウェアの開発及び販売株式・金融情報提供サービス リアルタイム株価情報提供サービス その他、サービスに関わる一切のサポート業務 |
資格 | なし |
株式会社ストック・データバンク新宿事業所(旧セブンデータ・システムズ株式会社)はソフトウェア開発会社。2015年設立ですが、株の達人自体は旧会社時代の1995年にDOS版がリリースされています。
なお、ストック・データバンク新宿事業所は金融庁に登録していません。自動売買機能があれば問題ですが、株の達人は単なるチャートソフトなので特に問題はないでしょう。
料金は年約15万円
株の達人の料金はサブスク方式を取っています。また、初めて利用する人は初期費用が必要です。
「月払い」「半年払い」「年払い」と3つ支払い方式があり、それぞれ1ヶ月あたりの料金が異なります。
月払い | 半年払い | 年払い | |
---|---|---|---|
初期費用 | 3万3,000円 | 3万3,000円 | 3万3,000円 |
基本利用料 (リアルタイムデータあり) | 1万3,200円 | 7万7,000円 ※月1万2,833円 | 14万7,400円 ※月1万2,283円 |
初期費用はどれも共通で3万3,000円、基本利用料は契約期間が長いほど割引されます。支払は月払いならカード・口座振替・銀行振込が利用でき、半年払いと年払いは銀行振込のみです。
また、初回の支払いは「初期費用+基本利用料(月払いは2ヶ月分)」となります。
年間に15万円も支払わなくてはならないのは、さすがに高い印象。機能も豊富で複雑なので、初心者が無理に購入するのはおすすめできません。
なお、リアルタイムデータを”なし”にすればもう少し安くなりますが、デイトレウォッチャーなど一部機能に制限が掛かるので注意が必要です。
「新井邦宏」との関係
新井邦宏氏は元ファンドマネジャーの経歴を持つカリスマ個人トレーダー。株の達人を愛用しており、公式サイトでコラムの執筆等を担当するなど深く関わっています。
株の達人の公式サイトでは、新井氏が執筆・収録している以下のコンテンツが無料で利用可能。
- 新井邦宏氏の今日のコメント
- 相場解説コメント
- 本音で語る 株式投資?と思う方へのメッセージ
- 新井邦宏氏の言いたい放題
「新井邦宏氏の今日のコメント」だけがテキストコンテンツで、あとは全て音声コンテンツ。wmaファイルをダウンロードして利用する形式になっています。
ただ、今時ファイルをダウンロードして利用するコンテンツというのも珍しいですよね(笑)コンテンツの質自体は悪くありませんが、こういったところも時代遅れ感が漂っています。
利用方法
株の達人を利用するには、公式サイトから入会する必要があります。
入会申し込みフォームに必要事項を記入し、送信すればOK。申し込み後5日以内に料金を振り込んでください。

振り込み後にIDやパスワードを使って公式サイトにログインし、ソフトのダウンロードを行えば利用できます。
退会は電話・メール・FAXのいずれかから申し出る必要があるとのこと。ただし、すでに支払った料金の返金は行っていないので注意してください。
なお、株の達人は無料で使える「お試し版」があるので、最初はそちらから申し込むのがおすすめです。
株の達人の批判点
長年多くの投資家が利用している株の達人ですが、「すでに時代遅れだ」と言われていることからも分かる通り批判点も多いです。
ここでは以下3つのポイントから、なぜ批判されているか解説します。
- 転換足がMACDのシグナルと同じ疑惑
- 初心者には扱いにくい
- 無料で使えるチャートソフト・スクリーニングツールがたくさんある
転換足の売買サインがMACDのシグナルと同じ疑惑
株の達人では、”転換足”というトレンドの転換点を色の変化で分かりやすく示した独自のチャートを利用することができます。
売買タイミングを一目で判別できる優れものですが、「売買サインがMACDのシグナルと同じだ」という疑惑が過去に噂されていました。
初期費用半額は嘘だった!!!好業績優良銘柄の検索結果に業績悪化の企業も多数含まれていいた。株探の方が正確。転換足はMACDのシグナルと同じ。
株の達人への疑惑コメント
転換足の仕組みは分かっていないため、この疑惑の真偽は不明です。もしかするとMACDのシグナルとほとんど変わらない仕組みになっているかもしれません。
ただ、現在の株の達人は「おまかせ売買ロボ」機能を搭載しており、様々なテクニカルを設定して売買サインを出すことができます。
転換足の売買サインは若干怪しい印象ですが、ローソク足チャートで売買サイン機能が使えないというわけではありません。自分に向いたテクニカルを使って売買サインを表示すると良いでしょう。
初心者には扱いにくい
株の達人は豊富な機能がウリのチャートソフトですが、あまりにも機能が多すぎて初心者には扱いにくい側面があります。
当サイトにも過去にそういった口コミが寄せられました。
2021年12月01日
上級者用。中級者以下はあまりおすすめしない。
株の達人に対する口コミ
株の達人は70種類ものテクニカル指標を利用して細かくチャートを分析できますが、初心者は一つのテクニカルを使いこなすにも時間が掛かるもの。いきなり豊富なテクニカルを渡して「さぁ分析して!」と言われても、混乱するだけでしょう。
スクリーニング機能も自分で細かく設定できるのがウリで、テンプレートを使うくらいなら証券会社が無料提供しているもので十分です。
もし初心者で気になっている人は、無料の「お試し版」を使ってみると良いかもしれません。それで年間15万円を支払い続ける価値を感じられるか試してみてください。
無料のチャートソフト・スクリーニングツールがたくさんある
すでに紹介した通り、現在は株の達人に代わるチャートソフトやスクリーニングツールがたくさんあります。
チャートソフトとしては無料で使える「Trading View」が世界中で大きなシェアを集めており、有料版も株の達人より安価で豊富な機能が使えます。
また、証券会社が無料で提供しているチャートソフトも現在はハイスペックになっており、初心者が使うには十分でしょう。
そのため、デイトレウォッチャーやテーマウォッチャーなど、株の達人の独自機能にこだわりがある人でもない限り、チャートソフトとしては購入するメリットが無くなっているのが実情です。
株の達人会員サイトのコンテンツ
時代遅れと言われがちな株の達人ですが、有料会員のコンテンツが豊富にあるのもまた事実。
ここでは、どのようなコンテンツがあるのか紹介します。
週刊ワンポイントアドバイス
「週刊ワンポイントアドバイス」は、今の相場に適した株の達人の使い方を解説する週1配信の動画コンテンツ。
実際に株の達人を使いながら相場解説をする、実践的な内容になっています。
本日の市況と個別株徹底解説(ブログ)
「本日の市況と個別株徹底解説」は、毎日更新している市況およびチャート解説ブログ。
株の達人を使いながら月・水・金は市況の解説を行い、火・木は個別株のチャート解説を行っています。
ちなみに、株の達人の公式サイトでは「株の達人活用ブログ」という無料のブログも運営中。
主にテクニカル分析の手法について解説しており、株の達人を利用していなくても役立つコンテンツとなっています。
日経平均株価の動き
「日経平均株価の動き」は、毎週金曜日にその週の相場状況を振り返りながら市況を解説するテキストコンテンツ。
日経平均だけでなく、ダウや裁定残など各種の指標やチャートから現在の市況を分析します。
水曜日に無料版が公開されますが、株の達人のコンテンツらしく様々なテクニカルを駆使して分析する内容。
上級者向けのコンテンツで質は高いと感じます。
Webチャート教室
「Webチャート教室」は、毎月1回更新される今後の相場動向を予測する動画コンテンツ。
PDF資料も用意しており、20ページ前後に上るボリュームのレポートです。
相場動向の予測から要チェック銘柄や業種を紹介している高品質なコンテンツですが、残念なのは動画をダウンロードしなくてはならないこと。
週刊ワンポイントアドバイスはYoutubeにアップロードしてあったのですが……
その他の無料コンテンツ
会員サイトで利用できる有料コンテンツは以上ですが、その他にも無料で利用できるコンテンツがあります。
- 投資のノウハウを学ぼう!
- お役立ちブログ
- 新井邦宏氏による相場解説コメント
これらのコンテンツは一般的な内容かつ分量が少なくなっていますが、質は決して低くありません。投資初心者なら勉強になることもあるでしょう。
株の達人は基本的にチャートソフトですが、こういった市況解説などのコンテンツが充実しているのは評価点。
どれも上級者向けの内容なので初心者にはおすすめしませんが、投資環境を充実させたい上級者であれば購入も選択肢に入ってくるのではないでしょうか。
今の時代はAIに任せるのが当たり前(笑)時代遅れ過ぎる(笑)
AIが電気自動車だとしたらこのツールは馬車ですかな?(笑)
結局風潮や外的要因を考慮できないと意味が無いことに気付きますた。シストレの限界を見た。
上級者用。中級者以下はあまりおすすめしない。
シグナルはイマイチ。こういうの銘柄選びをする系のサービスは割とうまくいってるけど売買タイミングを計る系は微妙なイメージ。
こればっかりは自己満足の域を出ないツールだった。思いのほか成果に繋がらない。
でもデータをすぐCSV出力できるのは便利
転換足やシグナルに金を出すだけの価値が有るかと言われたら…
ある程度若い投資家で勝っている人を何人か知っているが、株の達人を活用している人なんて見たことない。
売買シグナルは全くアテにならないのでやめておいた方が良いと思います。痛い目を見ました。自分で判断したほうが負けても納得できる分マシです!
AIが銘柄選んでくれるサービスが世の中にいくらでもあってわりと結果出してるんだからそっちでいいよな。
まあデータを取るのには便利だと思う。
でも利益に繋がるかと言われたら結構微妙なところでしょ。
AIでビッグデータを分析するのが今は一番堅いんじゃないの。